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ウイタ・セクスアリス (岩波文庫 緑 5-3)

ウイタ・セクスアリス (岩波文庫 緑 5-3)

ウイタ・セクスアリス (岩波文庫 緑 5-3)

作家
森鴎外
出版社
岩波書店
発売日
1960-09-05
ISBN
9784003100530
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ウイタ・セクスアリス (岩波文庫 緑 5-3) / 感想・レビュー

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Willie the Wildcat

半生で振り返る『自然主義』。テーマは、性欲。客観的に自他を分析。心身の変化とその過程、その先に垣間見たものとは何か?幻想や妄想も踏まえた煩悩を捨てた瞬間?!”dub”がもれなく鍵という感。発禁処分は時代の産物も、首題はあくまで自然主義評。その答えが、最後の一節ではなかろうか。誤解を恐れず言えば、冒頭の「猫」対して「犬」の件も、漱石氏への敬意であり、共感するスタンスを暗喩。

2018/12/20

カブトムシ

高校生の時面白く読んだ。カセットテープやCDにはなかったので、YouTubeで久しぶりに聴いてみた。まだ、全部聴いてないが、こんなに長かったっけと思い、「森鴎外作品集(第一巻)」(昭和出版社、昭和42年)を照合してみると、上下二段で100ページ近くある。鴎外の「雁」は名作だが、やはり長編の「青年」は、漱石の「三四郎」には及ばないと言われている。加賀乙彦氏の「日本の長編小説」(筑摩書房、1976年)では、外国に一つ紹介するとしたら、「夜明け前」であるという。かつて文庫本で何巻も購入したが、挫折してしまった。

マリリン

金井博士の事(ウイタ・セクスアリス)が、率直に淡々と書かれている感がしたが、現代なら発禁になるような内容ではないと感じた。 6才からの、性に対する告白...。十になった...ぼくは女の体のある部分を見たことがない。きれいな色彩をした男と女が異様な姿勢をしている絵...、かねてから知りたいと思ったのはこれだと思った。13才からの寄宿舎での生活、両甲手を着ふとんの上に出して寝る規則(外国の)19才、女というものを知らずに至る。そして21才の苦悩。 結婚に至るまで。...そして僕は哲学的である。→

2019/10/13

S.Mori

主人公の性の目覚めを描く森鴎外の小説です。読んでみると明らかに自然主義の小説に対するやんわりとした批判がこめられていると思いました。田山花袋の「蒲団」のような偽悪的な内容ではありません。かと言って、取り澄ましたことが書かれているわけでもありません。性と愛について悩みながら成長していく青年の姿が、淡々と描かれています。「蒲団」よりはこちらの小説の方が現実味があります。確かに人間は性に囚われていますが、それだけでは生きていけません。性に焦点を当てながら誰もが一度は通る道を精緻に描いた作品です。

2020/01/16

静かな生活

インテリによるヤンキー/オタク批判のような物語。欲望のまま振る舞うと痛い目に見るよ、というアフォリズムは当然現代にも響きます。

2022/03/13

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