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努力論 (岩波文庫 緑 12-3)

努力論 (岩波文庫 緑 12-3)

努力論 (岩波文庫 緑 12-3)

作家
幸田露伴
出版社
岩波書店
発売日
2001-07-16
ISBN
9784003101230
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努力論 (岩波文庫 緑 12-3) / 感想・レビュー

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Kawai Hideki

読了することそれ自体に猛烈な努力を要する努力の書(読破に7ヶ月かかった)。面白かったポイントは2つ。「幸福の使い方にも色々ある。福を惜しむこと(惜福)、福を分けること(分福)、将来のために福を植えて殖すこと(植福)」「何かを成し遂げようと思ったら1つの事に集中しろ」1つの教訓に対して、古今東西の具体例が微に入り細に入りずらずらずらずら、対句をなして出てくる。読後感を喩えるなら「飲み会でめちゃくちゃ博学なおじさんにからまれて、3次会、4次会と帰らせてもらえず、延々と朝まで人生と努力について説教された」感じ。

2014/12/26

yomineko@猫と共に生きる

物凄く難しい感じの羅列に、昔の人の賢さを改めて感じました。余りにも難しすぎて読むのに時間がかかってしまいましたが、読んでいるのは私だけかな?と思っていたら500人以上の方々が読まれていて感服しました。何事も「正、大、精、深」。露伴先生、流石です。

2020/08/27

イプシロン

「幸福論」と題される欧米の書物は多い。そうした著作と比較するなら、本書は幸福になるためにどう努力すべきかが語られる「努力論」である。しかしそれは皮相的なHow toではなく、全編の半数を割いて語られる「気」論である。かつ、そこから導き出されるのは、努力せんとしていることを忘れて、なせることをしていれば自然に幸福になるという、風変わりな努力論である。つまり本書の目玉は古代インド思想にある、身と心を繋いでいる気息(プラーナ)の調和に努力すれば、無理な努力や頑張りすぎなど一切必要ないという哲学である。

2019/09/16

i-miya

2010.05.30 2001.07.改訂。 (岩波文庫努力論跋)心のとり方次第。苦を転じて、楽となす。勇健の意気をもって懊悩、焦燥の態度を払拭するを薦めたもの。30余年。再録。そのまま。S14年歳末記入、露伴学人識。(解説・中野孝次) 東洋からの幸福論、西洋に向けて発する。ヒルティ、ラッセル、アラン、三谷隆正の西洋幸福論。よき師を見つけよ。分福のすすめ。植福。行持=道元『正法眼蔵』、自分が学ぼうとして発心し。修行して悟りに達することを行持という。

2010/06/02

えーた

不如意な事の多い世の中にあっても心のありよう次第で人は幸福にも不幸にもなる。ではどうすれば幸福になれるか。そのための「正しい努力の仕方」を本書は説く。私の中の著者のイメージとその題名から「頑固親父の説くところの根性論」か、と思っていましたが、著者のまなざしは優しく、その説くところのものはフレキシブルなものであり、かつしっかりとした科学的論拠に基づくものでもあり、甚だ恐れ入った次第です。最後の方は大宇宙の起源云々という話になって、若干ついていけねぇ感がありましたが、読むうちに勇気と意志が湧いてくる名著です。

2018/08/12

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