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仰臥漫録 (岩波文庫 緑 13-5)

仰臥漫録 (岩波文庫 緑 13-5)

仰臥漫録 (岩波文庫 緑 13-5)

作家
正岡子規
出版社
岩波書店
発売日
1983-11-16
ISBN
9784003101353
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仰臥漫録 (岩波文庫 緑 13-5) / 感想・レビュー

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syaori

子規最晩年の日録。病により寝たきりで食事が「唯一の楽(たのしみ)」というその日々は、食事と服薬、繃帯交換で過ぎてゆくよう。まず、あきれるほどの食事量や、病状だけでなく看護する家人に対する癇癪、不満を露わに綴るのに驚きも感心もするのですが、それが胸を打つのは、この食べ屎をしという日常が、絶えず膿が出て痛む歯茎や繃帯交換の激痛による叫喚などの中で繰り返されていることが見えてくるから。子規はこの記録のなかで、人が生きるということの滑稽さや哀しさを余す所なく見せてくれているようで、最後は厳粛な気持になりました。

2019/03/08

TSUBASA

脊椎カリエスを煩い、寝返りさえも激痛を発する生き地獄のような正岡子規の生活を綴った日記およびメモ書き。子規はもはや病牀六尺というくらいほんの狭い世界でしか生きられない。その苦しみが読んでいてただただ辛い。それでも「便通 朝飯 粥三椀、佃煮、奈良漬 午飯 冷飯三椀、鰹のさしみ、味噌汁、佃煮、奈良漬、梨一つ、葡萄一房 (中略)便通及繃帯取替 晩飯 粥三椀、泥鰌鍋、キャベツ、ポテトー、奈良漬、梅干、梨一つ」というように驚くほど食べる、出す、書く。これが私が生きた証なのだと言わんばかりに。

2016/07/02

金吾

子規の強靭な精神力を感じます。死病の病状が進んでいる状態でありながら、透徹した観察眼と赤裸々な本心を書くというのはすさまじいと感じました。かなり旺盛な食欲が衰える様は考えさせられました。

2020/09/01

そうたそ

★★★☆☆ 正岡子規の最晩年の随筆でありながら、どんだけ食うねんというほど食べている。当時どんなものが食べられていたかという資料的な面白みもあるし、子規の才能溢れる文章を堪能できる。子規が病を患っていたことを思うと、辛苦に満ちた日々であったろうが、それを感じさせないような飄々とした印象が文章から感じられる。

2020/02/20

旗本多忙

子規が亡くなる前年から書き続けていた衣食住を主だってかいた日記である。読んだのは、もう何年も前のことだが、来るべき時を待つってのはなかなか辛いものがあるね。手元には、もう本は残ってないが、何だか急に子規の心情を思って見たくなった。著者は違うが「子規、最期の八年」こんな本が確かあったが、どちらも良い本です。

2016/11/02

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