虚子五句集 上: 付・慶弔贈答句抄 (岩波文庫 緑 28-5)
虚子五句集 上: 付・慶弔贈答句抄 (岩波文庫 緑 28-5) / 感想・レビュー
双海(ふたみ)
学生時代から虚子が好きでした。先に下巻を読んでいましたが、今回ようやく上巻が手に入ったので読んでみました。やはり、いいですね。「そのまゝに君紅梅の下に立て」・「よりそひて静なるかなかきつばた」・「なつかしきあやめの水の行方かな」
2017/08/18
豆ぐみ
上巻は『五百句』『五百五十句』『六百句』の3句集をおさめる。自分で俳句を詠みはじめるまで、虚子がこんなに近代俳句の巨人とは知らなかった。『五百句』が文庫で読めるのはたいへんありがたい。
2014/06/24
HANA
以前子規の俳句を読んだ時にも感じたが、本当に一コマを切り取るのが上手い。ただ写真と違うのはその時点での香り、味、そして心理といった物も俳句の中に読み込んでいる点。現代の俳句には疎い身としては、ここからどのように変わっていっているのかも気になった。
2010/10/13
押さない
霜降れば霜を楯とす法の城・年を以て巨人としたり歩み去る・木曽川の今こそ光れ渡り鳥・夏の月皿の林檎の紅を失す・蚊の入りし声一筋や蚊帳の中・落花のむ鯉はしやれもの髭長し・紅海の莟は固し言わず・虹立ちて雨逃げていく広野かな・一夜明けて忽ち秋の扇かな・雪の果これより野山大いに笑ふ・寒といふ時に金石の響きあり・まろびたる娘より転がる手鞠かな・頭にて突き上げ覗く夏暖簾・苞割れば笑みこぼれたり寒牡丹・爽やかにあれば耳さへ明らかに
2017/02/08
charlie_
海に入りて生まれかはろう朧月(m29)、春の夜や机の上の肱まくら(m33)、天の川のもとに天智天皇と臣虚子と(t6)、流れ行く大根の葉の早さかな(s3)、倏忽に時は過ぎ行く秋の雨(s8)、戻り来て瀬戸の夏海絵の如し(s11)、マスクして我と汝でありしかな(s12)、もの置けばそこに生まれぬ秋の蔭(s13)、手毬唄かなしきことをうつくしく(s14)、水打てば夏蝶そこに生まれけり(s16)。
2011/10/16
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