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宣言 (岩波文庫)

宣言 (岩波文庫)

宣言 (岩波文庫)

作家
有島武郎
出版社
岩波書店
発売日
1968-07-01
ISBN
9784003103630
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宣言 (岩波文庫) / 感想・レビュー

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双海(ふたみ)

深い友情に結ばれる青年AとBは、ひとりの女性をめぐって恋と友情の危機に直面する。が、恋に破れたAは苛酷な運命に対して男らしい決然たる態度を示し、恋を得たBもまた己れの真実をかくすことなく厳しい宣言をもって友に応える。妥協的な日常性の哲学を見事に打破した作者(一八七八―一九二三)初期の、書簡体で描いた思想小説。(カバーより)

2014/07/31

理知的に問答を交わす男二人の書簡体小説。武者小路実篤の『友情』を思い出した。死云々の思想に関するくだりはこの前読んだ有島武郎「運命と人」と重なる。互いに響きあうように存在している姿が良い。二人の友情は、互いの思想、意志、矜持への尊敬によって支えられている。互いの存在がある種の緊張感を生み、その緊張感こそが二人の友情を深め、より強固なものにしているように見えた。結果的にBはAからY子を横恋慕したが、それはBの思想、意志、矜持の実践によるものだった。有島文学の思想がよく表れた作品であると感じた。

2019/03/31

G三世

武者小路実篤『友情』を思わせる三角関係の物語を書簡形式で描いた作品。恋という事件について互いの心境を謳い吐露する二人の青年の姿は、若さに満ち溢れている。同時に行動には浅はかさと無分別に満ちている。『友情』を読み返したいですね。

2015/03/31

桜 もち太郎

AとBとY子の三角関係。A、B、Yの告白。一番得をしたのはBかな。哀れなAと妹のN子。Bは言い訳がましい告白。Bと結ばれるであろうY子は優柔不断。よくある恋愛物語だが、さすがに日本語は美しい。「空虚な世界は、さびしく、寒く、果てしなく広がった」「一秒が過ぎ去ったのか、永遠が過ぎ去ったのか、僕にはわからなくなった」、これはもう絶品だ。それにしても宣言ってくつがえるものなんだ・・・。

2015/04/10

澄川石狩掾

何度目かの再読。 「Y子の手記」ではっきりと示されるY子のAに対する拒絶を読む度に、私自身の失恋を思い出して泣けてくる。それはともかくとして、この小説の大きな特徴は、既に指摘されているように明治から大正に元号が替わる時期を舞台としているにも拘わらず、西暦で表記されているために、明治天皇の崩御や乃木希典の自殺など無関係に進んで行く点にある。また、名前もA、B、Y子と具体的な名前ではない。これらの表現から、時代を超えて一般に長距離恋愛にはどのような難しさがあるのか、この問題について考えさせられる。

2020/07/07

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