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お目出たき人/世間知らず (岩波文庫 緑 50-1)

お目出たき人/世間知らず (岩波文庫 緑 50-1)

お目出たき人/世間知らず (岩波文庫 緑 50-1)

作家
武者小路実篤
出版社
岩波書店
発売日
1954-10-05
ISBN
9784003105016
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お目出たき人/世間知らず (岩波文庫 緑 50-1) / 感想・レビュー

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masa

自分は女に餓えている。自分はまだ、所謂女を知らない。自分の心に「汝、手淫をする者よ」という声が聞こえる。そんな童貞のシャウト。非モテのパンク。誰も傷つけないストーカー気質。世界はそれを愛と呼ぶし僕は実篤をロックンローラーと呼ぶ。百年たっても、おじさんの武勇伝を扱き下ろしながらも仲間内ではリア充アピってマウント取り合うシュールな社会で、自らを金持ちだとプロデュースする男を薄っぺらいと罵りながら、眠れない夜に好きな子の名前をググりたい欲求とそれをやったら変態だという自制心との狭間で僕ら悶々と格闘してるんだぜ。

2021/10/15

Maki

「おめでたきひと」自分は女に餓えている。みかけるだけの近所の女学生と結婚することを決めました。きっと彼女も僕を好きです。とゆうことが延々と書かれています。切ねぇよ、さねあつー!本当ならば今ごろ僕のベッドには~♪って一緒に歌お!カラオケ行こ!って言いたくなります。「世間知らず」一歩前進したら、エライ上から目線。僕の云ふことをきいて大人しくなってきたから君が可愛い、なんて言っても仲良し以上の仲良しになりませう。ってラブレター書いちゃうさねあつー♡すきです。

2019/06/02

冬見

「お目出たき人」は再読。真っ直ぐに空回っているところが好き。陰湿さや粘着質な性質でないところがこの物語を青春恋愛小説たらしめている。一歩間違えたらホラーだ。「世間知らず」「AよりC子に」は初読。恋する相手にここまで自分の感情を丸々投げつけられる主人公がなかなかすごい。偉そうに映る場面もあるが、かっこつけやスカしたところがないのは結構好き。手紙の内容を見ると若干イラッとするけども。

2021/11/28

カブトムシ

武者小路実篤の代表作は、「友情」。今でも版を重ねてよく読まれている。この人の親友が志賀直哉であり、文学史的には「白樺派」と呼ばれるグループの代表的な二人である。実は志賀の方が2歳年上で、学習院の中等科で志賀は2回落第して、同じ学年になった。志賀は幼くして実母を亡くし、父との確執もあり、赤ん坊も失くしたり苦労している。さて、武者小路のこの小説の「自分」は学習院を出た二十六歳の青年。「広義の教育家」になろうとしている。しかし女に「飢えて」いる。十九歳の時に失恋、失恋。そののち近くに住むある女学生にひかれる。…

sabosashi

世間知らず、というのは相手の女のほうだろうか、でも、読みすすむにつれ、一人称の主人公らしいということがわかる。  女にお金を無心されても、生活力といったものがなくて、持っている本を売ることでしかお金をこしらえることができない。  いったいいつになったら女に騙されていることがわかるのだろうか、じれったくなる。  というか、いじましい。  しかしながらわたしの深読みを嘲笑うかのように、ストーリーは平明。  価値があるとすれば、このいじましさ、平明さにこそ見るべきものがあるのか。

2020/03/07

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