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幼少時代 (岩波文庫)

幼少時代 (岩波文庫)

幼少時代 (岩波文庫)

作家
谷崎潤一郎
出版社
岩波書店
発売日
1998-04-16
ISBN
9784003105559
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幼少時代 (岩波文庫) / 感想・レビュー

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ラウリスタ~

東京人には故郷がないを地で行った人。関東大震災以来関西に移住したからでもなく、彼が幼いころを過ごした東京は、もうどこにも残っていない。昔ここらへんに住んでいたはずなんだが・・・なんて場面読んでも、「いや、もっとちゃんと探せよ」って思ってしまっていたが、そうか東京じゃ無理なんだ。というわけで明治に、東京で育った一少年がいかに暮らしてきたかっていうもの。彼の自伝的小説と比べればはるかに退屈ではあるが、資料的には面白いと思う。

2013/07/15

れどれ

年月を経た過去話なら事実関係よりも情感的な挿話ばかりが取り沙汰されそうなところを、どちらにも寄らず、飾りっけなしに、動画と静止画とを自在に行き来させながらしゃくしゃくと像を結ばせていく筆致は流石の手並みでひたすら恐れ入る。馴染みない固有名詞の羅列には参ったがそれを差し引いても抜群に面白い。文芸と少年との結びつきには神秘的な崇高さを感じる。

2018/07/17

tohoho

谷崎潤一郎の幼少期の回想記。4歳から小学校卒業頃の茅場町、人形町界隈を舞台に愛着込めて描き出された回想記には、谷崎文学を読み解く話がつまっており、鏑木清方の挿絵も楽しめる。略図を参考に散策するのもいいかも知れない。

2013/02/17

しきりに

谷崎潤一郎の原型。面白くないわけがない。嘘みたいに谷崎の小説全ての根っことなるような経験の数々が綴られている。読みながら自分の記憶にある似たような経験を思い出させられたりもしたのだけれど、谷崎は特殊な経験というよりも感性の面で凡人からは程遠い。老齢の谷崎の写真には世界を静観する天才の雰囲気があるが、子供の頃からその才をしっかりと備えていたのだと思われる。

2015/07/06

amanon

ここ数箇月の間に読んだ本の中でいくつか変わりゆく東京の風景について考えさせられることがあったのだけれど、本書を読んで改めてそのことを考えさせられることに。著者が過ごした江戸の名残を留める東京。しかしその名残も震災と戦争によって殆ど跡形もなくなってしまった。そして本書が書かれて半世紀後には昭和の名残さえ危うくなりつつあるのではないか?そう思うと東京という都市が孕んだある種の特異性が見えてくる気がする。その失われた原風景を求めて著者が後に関西に移り住んだというエピソードには言いようのない寂しさがある。

2012/01/18

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