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萩原朔太郎詩集 (岩波文庫 緑 62-1)

萩原朔太郎詩集 (岩波文庫 緑 62-1)

萩原朔太郎詩集 (岩波文庫 緑 62-1)

作家
萩原朔太郎
三好達治
出版社
岩波書店
発売日
1981-12-16
ISBN
9784003106211
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萩原朔太郎詩集 (岩波文庫 緑 62-1) / 感想・レビュー

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KAZOO

立原、中原中也つながりで萩原朔太郎の岩波文庫を再読です。やはり中原を読んだあとでは比較的平穏な心で読むことができます。「月に吠える」「青猫」からの作品は比較的なじんだ詩が多く情景が眼に浮かぶような気がします。立原道造はあまり読んだことがないのでまだそんなに評価はできないのですが、この作家の詩はいいですね(私にとって中也よりもはるかに)。

2017/12/13

青蓮

萩原朔太郎の詩を読むのは初めてです。全体を通して澄明な寂寥感、柔らかい春霞の陰鬱、美しく傷んで病んだ雰囲気と仄かに香る艶めかしさを感じました。著者自身「詩はただ病める魂の所有者と孤独者との寂しい慰めである」と言っているように詩とは元来、とても寂しい芸術なのだと思います。そしてその寂しさを、病める事を敏感に感じ取れる者だけがこの孤独な芸術に親しみを覚え、また楽しめるのだと思います。綴られた言葉の余韻に溺れ、無言を描く空白の行間を彷徨って。私はずっと孤独でいたい。美しくて寂しい色彩に彩られた詩を楽しむために。

2018/06/28

ヴェネツィア

西脇順三郎が、たった1冊だけを持ってイギリスに留学したのが『月に吠える』。そして、同時にそれは日本語での詩の可能性を西脇に悟らせた詩集でもあった。何度目かの再読(これが1番多い)だが、私にとっての日本近代詩ベスト1はやはりこれだ。タイトルは、人間を含めて生きているもののすべてが背負わなければならない、根源的な「生」への不安と怖れとを象徴しているだろう。ここにあるのは、寂しさや愛の渇仰や恐怖や残酷さ、あるいは本質的な孤独といった、およそ負の感情である。「人は一人一人では、いつも永久に、恐ろしい孤独である」。

2013/02/09

思春期の頃、『月に吠える』の中の「恋を恋する人」を読んで衝撃を受け、それ以来彼の作品を追いかけた。でも、知れば知るほど胸がチクチク痛んで切なく、憂鬱になった。乙女への愛や憧れとか不安定な心情、孤独感の根底にある自己愛を感じ取って、あぁ本当は僕の解釈とは別なところから派生していたのかと少しガッカリしながら、「恋を恋する人」を何度も読み返した。でも『蝶を夢む』の詩たちを読んでから心が軽くなった。1つ1つが絵画に思え、ようやく客観的に鑑賞できるようになっていた。今では古いアルバムの初恋の人を見るような感覚だ。

2013/05/08

さっとる◎

詩を書いた人、ということではなく存在自体が詩人、詩人としてしか在れなかった詩人、そういう人の書く詩が好きだ。(その基準は私の印象でしかないのだけど(^^;)。萩原朔太郎はまさにそんな一人。病んだ湿っぽい感じ。詩人にかかると犬、猫、竹、月、…何気ない単語どれもが美しい。思いの外散文詩が良かったな。

2016/08/21

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