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猫町 他十七篇 (岩波文庫)

猫町 他十七篇 (岩波文庫)

猫町 他十七篇 (岩波文庫)

作家
萩原朔太郎
清岡卓行
出版社
岩波書店
発売日
1995-05-16
ISBN
9784003106235
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猫町 他十七篇 (岩波文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

表題作を含む3つの短篇小説と、散文詩等からなる。これらの作品群はいずれも概ね朔太郎の中年期以降に書かれており、諦観と存在への不安を湛えている。そして、それはあたかも寒風の中に一人でたたずむかのようだ。「猫町」は、芥川最晩年の「歯車」にも似た幻視世界であり、それは自己存在の震えだ。また「ウォーソン夫人の黒猫」は、題名からも想像がつくようにポーの「黒猫」を強く意識したものだろう。朔太郎は『詩の原理』でポーの「大鴉」に触れて、詩の翻案の可能性を述べているが、まさしくこの小説は彼のポーへのオマージュであり翻案だ。

2014/06/10

蓮子

以前読んだ詩集が素敵だったのでこちらも。幻想風の短編、散文詩、随筆など18編を収録。「ウォーソン夫人の黒猫」は何となくポーの「黒猫」を思わせるような雰囲気があって楽しめました。散文詩では「郵便局」がお気に入り。不思議な感傷と郷愁があって郵便局とは人と人の交差点、出会いと別れの発着地なのだなぁと感じました。「老年と人生」は何処までも共感できることが多くて、私もそれなりに歳を重ねて来たのだなと少し感慨深い。何時までも若々しくありたいと言う風潮が強い中で歳を取るのも決して悪くないのだなと肩の力が抜けるようです。

2018/07/14

おいしゃん

萩原朔太郎初読みだったが、大好き、この狂気的な世界観!さすがにこれを300ページとかだとキツイが、18編を100ページちょいで、入り込むにはちょうど良かった。もっとも、朝の通勤でこの世界に入り込み過ぎて、クラクラした一日ではあったが…。

2015/03/03

藤森かつき(Katsuki Fujimori)

朔太郎さんの誕生日に。「猫町」は、何度読んでも、とても好き。凶兆を予感する意味合いがあると言われても、裏側の猫町に迷い込んでみたいって思う。「ウォーソン婦人の黒猫」は、当人にとっては気味が悪いんでしょうけど、私は、この黒猫、大歓迎で一緒に暮らすのになぁ。ペット禁止の所でも問題なしだし。他には、散文詩の「群衆の中に居て」、と、「虫」が好み。随筆2作も意外に良かった。比較的後期に書かれた小説寄りの作品ばかりを集めた本書。163pと薄い本なのに解説が50pもあるのが凄い。そして解説も面白く夢中で読んでしまった。

2019/11/01

市太郎

私は、たまに好奇心から日常とちょっと違うものを求めてしまう事がある。そんな時、お手軽に出来るのが道に迷うという事である。いつもと違う道に入り自ら迷う。さらに、方向音痴でもあるので、簡単確実に「道がわからない」という自体に陥る。苦労の末、知っている道に辿りついた時の安堵感は言葉に出来ないくらい快感です(笑)こんな事を続ける私は「猫町」に迷い込む可能性がそれほど低くないのではないか、と思います。他では「老年と人生」「自殺の恐ろしさ」が良かったです。あと、完成しなかった離婚の小説とやらを読んでみたかったな、と。

2013/12/21

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