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歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6)

歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6)

歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6)

作家
芥川龍之介
出版社
岩波書店
発売日
0000-00-00
ISBN
9784003107065
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歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6) / 感想・レビュー

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thayami

著者の執筆当時の心情を描写したかのような作品群。心底に差し迫る恐れ、不安、あるいは不信などの苦悩が、幻影となった観。執筆を通して自らを追い詰めることが、生への望みだったという気がしないでもない。身勝手な解釈だが、『或阿呆の一生』における師との出会いから別れの記述や、『歯車』の”青山斎場”も偶然ではあるまい。読後、文字にはできないどこかモヤモヤした気持ちが残る一冊。愛し、愛されたいが、成し遂げられない切なさ・・・が、一番近い表現かな。

2017/09/21

ハイカラ

暗く、狂的で、死を感じさせる晩年作品三つ。他人に訴えかけるというよりも、何というか自分で自分の狂気や死を確認しているかのような、ただ己にとっての現実を見つめるために書いているというような印象を受けた。闇の中、粛々と死に向かって歩を進める感じ。不気味だけど面白かった。

2016/03/31

yumiha

7月24日は河童忌だった。その最晩年の作品だからか、よりいっそう自分を追い込んでいく芥川の姿が見える3作品。「誰でも一皮剥いてみれば同じこと」と思いながら、「自尊心、懐疑主義、利害の打算」がいまだ残っている自身を軽蔑してしまう芥川。そこに折り合いをつけられなかったからこそ、たくさんの作品を産み出せたのだろうし、また自死しなければならなかったと思う。私なんぞは、ほどほどの自分だしほどほどの他者たちを受容してここまで生きてきたのだけれど、芥川にはそんな中途半端なことは、もともと考えなかったのだろう。

2020/07/30

さきん

芥川氏晩年の作品。死や精神錯乱を描いた内容が多くなっている。死を見つめるという点では気に入ったが、日本の暗い私小説の典型といった感じで、日本人が個人の確立というのを考えると行き着くところは著者のようなところになってしまうのかなと思った。西洋文明に飲み込まれてアイデンティティ不定と化している日本及び日本人を象徴しているように感じた.

2016/12/02

シュラフ

この7月の3連休にはふさわしくない本を読んでしまった。一番のインパクトは「或阿呆の一生」の"人生は一行のボオドレエルにも若かない"という阿呆(芥川)のつぶやきだろうか。人の一生なんてあっという間のむなしいものだが、芸術とか文学とか詩歌は永遠に残る。言われてみればその通りである。なのにわれわれは何をそんなに頑張って毎日を生きていくのだろうか。生きる喜びとはいったいなんなのだろうか。うまいものを食うことか、出世することか、いい女を抱くことか。猛暑の毎日の中、なんだか急にやる気がおこらなくなってしまった。

2016/07/17

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