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歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6)

歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6)

歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6)

作家
芥川龍之介
出版社
岩波書店
発売日
0000-00-00
ISBN
9784003107065
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歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6) / 感想・レビュー

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アキ

芥川最晩年の3作品「玄鶴山房」「歯車」「或阿呆の一生」を収録。どの作品も人間の心理を見つめる彼の冷徹な視線を感じる。「玄鶴山房」浅ましい玄鶴のお芳への思慕と雪の残った棕櫚の葉の上に尾を振る鶺鴒の描写が目に残像として残る。「歯車」でのレエン・コオトを着た男は何のメタファーなのだろう。「或阿呆の一生」梯子の上から本の間に動く店員や客を見ながら「人生はボオドレエルにも若かない」という有名なあの一句を発したのはどういう心境だったのだろう。数多くの書籍が文中に出てくるが、ほぼ読んだことがない。いつか読んでみたい。

2021/02/04

Willie the Wildcat

著者の執筆当時の心情を描写したかのような作品群。心底に差し迫る恐れ、不安、あるいは不信などの苦悩が、幻影となった観。執筆を通して自らを追い詰めることが、生への望みだったという気がしないでもない。身勝手な解釈だが、『或阿呆の一生』における師との出会いから別れの記述や、『歯車』の”青山斎場”も偶然ではあるまい。読後、文字にはできないどこかモヤモヤした気持ちが残る一冊。愛し、愛されたいが、成し遂げられない切なさ・・・が、一番近い表現かな。

2017/09/21

ハイカラ

暗く、狂的で、死を感じさせる晩年作品三つ。他人に訴えかけるというよりも、何というか自分で自分の狂気や死を確認しているかのような、ただ己にとっての現実を見つめるために書いているというような印象を受けた。闇の中、粛々と死に向かって歩を進める感じ。不気味だけど面白かった。

2016/03/31

yumiha

7月24日は河童忌だった。その最晩年の作品だからか、よりいっそう自分を追い込んでいく芥川の姿が見える3作品。「誰でも一皮剥いてみれば同じこと」と思いながら、「自尊心、懐疑主義、利害の打算」がいまだ残っている自身を軽蔑してしまう芥川。そこに折り合いをつけられなかったからこそ、たくさんの作品を産み出せたのだろうし、また自死しなければならなかったと思う。私なんぞは、ほどほどの自分だしほどほどの他者たちを受容してここまで生きてきたのだけれど、芥川にはそんな中途半端なことは、もともと考えなかったのだろう。

2020/07/30

さきん

芥川氏晩年の作品。死や精神錯乱を描いた内容が多くなっている。死を見つめるという点では気に入ったが、日本の暗い私小説の典型といった感じで、日本人が個人の確立というのを考えると行き着くところは著者のようなところになってしまうのかなと思った。西洋文明に飲み込まれてアイデンティティ不定と化している日本及び日本人を象徴しているように感じた.

2016/12/02

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