読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

都会の憂鬱 (岩波文庫 緑 71-3)

都会の憂鬱 (岩波文庫 緑 71-3)

都会の憂鬱 (岩波文庫 緑 71-3)

作家
佐藤春夫
出版社
岩波書店
発売日
1955-03-05
ISBN
9784003107133
amazonで購入する

都会の憂鬱 (岩波文庫 緑 71-3) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

HANA

『田園の憂鬱』続編。同じ憂鬱とは言っても、その方向性はまるで逆。日々を無為に過ごす主人公と浮かび上がれないその友人を描いているのだが、読んでいるうちに現実を思い起こさせられ鬱々とした気分になってくる。『田園の憂鬱』があくまで神経症的、自分の内面と向き合う憂鬱さなのに対して、本書は生活苦による憂鬱であり社会との関わり合いによる憂鬱と対照的な構造となっている。田園のある意味での典雅さは影を潜め、即物的なものを思わせる文体がそれに拍車をかけているし。好みは『田園の憂鬱』だが、こちらの方が読んでいて憂鬱にはなる。

2018/07/26

壱萬弐仟縁冊

1922年初出。冒頭は江森渚山の話。仕事乃至職業を持つてゐる人間、その人間が楽しげにその仕事に熱中してゐるのを見る時に、その傍にある何もすることのない人間、何をしていいか解らない人間、何も出来そうにない人間の抱く嫉み―生活をしてゐる人間に対する生活のない人間の嫉み(30頁)。まるで現代のNEET、SNEP問題そのものである。人の一生といふものはどうにかかうにか、どんな人間にでも過ごせるやうには出来てゐるであろう。

2016/02/13

感想・レビューをもっと見る