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人間失格/グッド・バイ 他一篇 (岩波文庫 緑 90-4)

人間失格/グッド・バイ 他一篇 (岩波文庫 緑 90-4)

人間失格/グッド・バイ 他一篇 (岩波文庫 緑 90-4)

作家
太宰治
出版社
岩波書店
発売日
1988-05-16
ISBN
9784003109045
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人間失格/グッド・バイ 他一篇 (岩波文庫 緑 90-4) / 感想・レビュー

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佐島楓

ン十年ぐらいぶりに読み返す。学生だった頃は素直に主人公の心理に共感していたように思う。今はただ、汚らしいと感じた。だけれどその汚らしさを書き連ねるのにも才能が必要だし、はしがきとあとがきに見られる技巧など、フィクションとしての部分も多いことに気づかされる。よくできた作り物、作品だということに。

2017/06/20

Willie the Wildcat

学生時代以来の『人間失格』。無言・無形の”圧力”に歪められた「個」。”下剤”で自分に戻れた最後の件は、真の解放。過程の模索・葛藤が繰り返す悪循環。”失格”も、自戒の一端也。未完の『グッド・バイ』。キヌ子に心身ともに鍛えられ気づくと・・・、と安易な顛末が頭に浮かぶ。自省と解釈すると、”顛末”は本来?!未完故の読後の楽しみ。一方『如是我聞』は、世間の風評への反論。特に、志賀氏への辛辣さは突出。踏まえた著者死後の志賀氏『文芸』掲載コメントは今でも記憶に残る。是非の問題は別として、後味は良くないなぁ。

2018/07/10

藤月はな(灯れ松明の火)

『人間失格』のみを再読。10年ぶりの再読だが、やっぱり、私は葉蔵が嫌いだ。堀木の母から汁粉を振る舞われた時に不味いと感じても自己弁護する様子ははっきり、言って人より自分が可愛いだけの傲慢な屑である。特に妻、ヨシ子が出入りの業者に男に犯されていても助けずに(この時、一緒にいて助けなかった堀木も最低の屑)その後も同族意識を感じたその男の出入りを許している場面は虫唾が走る。しかもヨシ子を娶った理由が処女性における信頼という点ではほとほと、蔑むしかない。しかし、バアのマダムの一言にはいつも心が揺さぶられて・・・。

2016/09/07

harass

『人間失格』フリーの全話朗読音源を手に入れて通して聞く。十数年前に全集を数回読み通したはずだが新鮮に感じた個所が多い。読解力が乏しかったことに反省。唾棄すべきナルシシスム、自分勝手さを見世物のように読んでいくのが正しい読み方だ。誰もがもつ内面の甘さでもあり、読みながらあざ笑うことができなくなる瞬間がある。思い当たる節が無く薄ら寒さを感じることの無い人は幸いだ。妖しく不健全な愉しみを味わえる本だ。人の好みはあるだろうが。しかしドキッとする文章を書くものだと感心。

2015/11/23

川越読書旅団

日本文学再考@海外出張中。時代を反映した事象や表現方法ではあるが人の本質は時代を超越するものである事を改めて実感。

2016/06/15

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