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大江健三郎自選短篇 (岩波文庫)

大江健三郎自選短篇 (岩波文庫)

大江健三郎自選短篇 (岩波文庫)

作家
大江健三郎
出版社
岩波書店
発売日
2014-08-20
ISBN
9784003119716
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大江健三郎自選短篇 (岩波文庫) / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

中学3年に新潮文庫版『死者の奢り・飼育』を読んでからお久しぶりの大江健三郎作品。妙に心に残り、覚えていた『人間の羊』の胸糞悪さは健在。改めて初期作品を読み返すと初期作品は若者特有の俗悪で迎合的な世間への潔癖感やコンプレックスを持つため過激にならざるを得なかった思想への傾倒がわかりやすく、描かれていました。中期からは大江氏の周辺を描く事によって内省を描くという手法が目立っており、難解になりつつも人間としては丸くなった作品が目立ちました。特に自閉症である子息、イーヨーこと光氏とのやり取りが印象的でした。

2015/05/13

壱萬弐仟縁冊

「他人の足」:誰にだって正常な生活は魅力があるし、誇りも回復するんですよ、ね? そうでなくちゃ、社会が成立しないと思うんだ(92頁)。 「セヴンティーン」:男子高校生のような存在の性的描写と考えてよいだろう(212頁~)。自涜は自慰と思われる。冒頭ぐらいはリアルな描写であるが、それ以降は真面目な内容だと思う。「新しい人よ眼ざめよ」:人間が生きる過程で、他人を傷つける、あるいは傷つけられる、ということが あるね。生涯のうちに、貸借なしとする。

2015/07/15

抹茶モナカ

ペンで傍線を引き、付箋を立てながら読んだ。時系列に大江氏自選の短編が並ぶ本。形式としては、中期以降は私小説に分類されるだろう骨組み。その聖人ぶりに憧れた。理屈っぽくて、すんなり頭に入らない文章もあったけれど、時間をかけて読んだせいか、以前より難読に感じなかった。ノーベル文学賞受賞者というブランド価値を感じながらも、読み終えてみて、当人は「時代の精神」と呼んでおられたが、いささか古さを感じた。大江文学は短編より、長編小説の方が良いと感じた。読みながら、僕自身は学究肌の他者に憧れるただのオタクだと痛感した。

2018/09/01

Tui

大江健三郎の文体には、思考や熟慮を経る前段階の脳内のつぶやきがそのまま活字になっているような生々しさがある。内容もまた然りで、私小説作家を所帯に持った妻や子の気持ちたるや如何、と思わされてしまう。これほどに家族内の諍いや迷いといったエピソードが公開され活字として残される事実は、たとえそこに光明を見出せたとしても、重すぎるのではないか。家族の出来事を作品の主題に据え続けることの根源にあるのが彼の文筆家としての覚悟か、性(さが)か、また書くべきものなのか、私にはどうしても分からない。戸惑いながらの読書だった。

2015/05/30

かわうそ

初読者の一読しての感想としては初期短篇が非常に印象に残った。長編も初期のものから読んでいきたい。

2015/01/11

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