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船出(上) (岩波文庫)

船出(上) (岩波文庫)

船出(上) (岩波文庫)

作家
ヴァージニア・ウルフ
川西 進
出版社
岩波書店
発売日
2017-01-18
ISBN
9784003229125
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船出(上) (岩波文庫) / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

ウルフ、ジョイス、プルーストなど「意識の流れ」を描いた小説は長ったらしく、浮世離れしたような印象を受ける。しかし、人の内面が全て、自動初期化と公開化されるようになったならば案外、このような膨大で饒舌、でも実は本音は隠しているようなのかもしれない。エヴリンの「男の人と対等な信頼関係を結びたい」という言葉は、フェミニズムの観点からも興味深く、当時としては画期的だったのでは?しかし、同時に高圧的な父と夫と上手く、関係が築けず、入水自殺したウルフの人生と重ねると苦しくなる。

2017/03/14

やいっち

ウルフ作品にそれなりに親しんできた自分にも、ウルフの世界を改めて再確認するような新鮮な感覚。彼女が生涯追ったテーマをかなりストレートに遭遇するよう。下巻を読むのが楽しみ。

2017/09/09

おおた

1915年のイギリスでは女性に参政権がないことに軽くショック。そういう状況を前提にした男性陣の物言いは当時では常識かもしれないけど21世紀には猿の遠吠えに見えてしまい、この100年で倫理観がいかに変わったか、そしてまだまだ変わっていないかを考えてしまう。同じ作家のダロウェイ夫人が出てきたことに驚き、夫が主人公レイチェルにちゅーするのも衝撃。作品の明確な方向性はないままレイチェルの思うがままに漂っていく不安定さはきらいじゃないけど、読書会では参加者のフェミ度が暴かれるような気もする。

2017/05/15

かふ

先月の「100分de名著 ジェイン・オースティン『高慢と偏見』を観た後で読むとウルフはオースティンを踏襲していて会話文で小説を形作っている。若い時はブロンテ姉妹でいいけど大人になったらジェーン・オースティンも読まなければと登場人物に言わせる。船旅の中で会話による情景描写はまさにオースティンなのだが、後に「意識の流れ」の文体になっていく。そして『ダロウェイ夫人』の登場はバルザックの物語再登場システムも取り入れている。バルザックはリドリーもレイチェルに推薦図書としている。そうした本についての語りも楽しい。

2017/08/24

ぺったらぺたら子

あのクラリッサ・ダロウェイ(!)が登場し「あたくし、ブロンテはなくても、ジェイン・オースティンなしでは生きられないわ」と、主人公に『説き伏せられて』を読めと薦める、というだけで興奮ものである。ウルフの原型の詰まった玉手箱であり、やたら多い登場人物達が新聞の別々の部分をてんでんばらばらに読み上げ、人物は去りその新聞は床に放置される、という短い描写の『灯台へ』そのままの構造に、それこそ著者の世界認識を表したものなのだなあ、と感じ、また個人部屋への執着とそれを聖域とし要塞と見なす事に、有名なエッセイを想ったり。

2017/05/20

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