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ある婦人の肖像 下 (岩波文庫 赤 313-7)

ある婦人の肖像 下 (岩波文庫 赤 313-7)

ある婦人の肖像 下 (岩波文庫 赤 313-7)

作家
ヘンリー・ジェイムズ
行方 昭夫
出版社
岩波書店
発売日
1996-12-16
ISBN
9784003231371
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ある婦人の肖像 下 (岩波文庫 赤 313-7) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

下巻に入って、イザベルとオズモンド夫妻の 意識のズレが徐々に明らかになる。 当時のヨーロッパとアメリカの価値観の 違いも ぼんやりとは伝わる。 マール夫人とオズモンドの隠された秘密、 そして ラルフのイザベルへの愛… 階級と金銭とプライドが優先する 不自由な世界を選んだイザベル… 単調だが、丹念な心理描写が 印象的な 作品だった。

2018/06/03

ケイ

結末が知りたくて、アクセルをかけて速読。結局引き金を引いたのは、ラウル親子で、父の心配が現実となった。解説ではイザベルに対する他の作家や批評家の評価や将来の予測が書かれてあるが、個人的にはそれについて関心は持てない。悪徳の栄えとして見ても中途半端である。役者は解説においてツルゲーネフを出しているが、ツルゲーネフ作品の読後は悪くても、登場人物たちの心の動きやその奥にあるものについて考え込ませる。この作品の登場人物達にはこれ以上構いたくはないわ、と読み終えてホッとする感じを持った。

2017/01/26

NAO

この作品の中で、ヘンリー・ジェイムズは、アメリカに台頭してきた「才気煥発で独立心旺盛な女性たち」をそれこそ自由気ままに振る舞わせたかったのだろうが、その割に、彼女が不幸になってしまったのはなぜなのだろう。ヘンリー・ジェイムズはアメリカとヨーロッパの文化の違いからくる、欧米に住むアメリカ人のどことなく浮いた感じをよく描いているが、この作品では、文化の違いというよりただイザベルの無教養さ、自分勝手さばかりが目についた。もちろん、彼女にはまだ、未知の未来が待っているという希望はあるにはあるけれども。

2016/11/25

Gotoran

本書下巻では、イザベルと夫オズモンドの意識のすれ違いによるあまり幸せではない結婚生活と従兄弟ラルフの死が主に描かれている。最後は、はっきりせず曖昧に終わっている(ヘーリー・ジェイムズらしい)。淡々としたストーリー展開で冗長さを感じつつも、イザベルとオズモンド、マール夫人とオズモンド、ラルフとイザベルなど、さまざまな男女の葛藤と倫理的選択の問題が取り扱われていた。興味深く読むことができた。

2023/02/05

りつこ

ストーリー自体に魅力を感じなくても、登場人物たちが不完全で欠点だらけで感情移入できなくても、スカッと納得のいく結末じゃなくても、こんなにも面白く読めるのか。それが文学の力なんだろうか。時代背景や倫理観など明らかに異質に感じる部分もあるが、それでもなんというかとても生々しく人間が描かれていて、そこにたまらない魅力を感じる。憎らしい登場人物でも魅力的だ。面白かった!

2017/05/25

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