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フィッツジェラルド短篇集 (岩波文庫 赤 334-1)

フィッツジェラルド短篇集 (岩波文庫 赤 334-1)

フィッツジェラルド短篇集 (岩波文庫 赤 334-1)

作家
スコット・フィッツジェラルド
佐伯泰樹
出版社
岩波書店
発売日
1992-04-16
ISBN
9784003233412
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フィッツジェラルド短篇集 (岩波文庫 赤 334-1) / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

新しく、できた古書店兼カフェ屋さんに行った時に見つけました。「リッツ」、「メイ・デイ」、「冬の日」は既読。「バビロン再訪」は放蕩生活を送ってきた結果の末にできたが、今まで存在すら、知らなかった自分の子を引き取りたいと願う男の話。カート・ヴォガネットの「ハロー・レッド」を連想させるが、この話は父である主人公に焦点を据えている。放蕩をしても自分に残るものはないと薄々は気づいているからこその恐れやお金でしか家族関係を繋げないと思い込む上流階級の心が如何に貧弱なのかが浮き彫りになっていて哀れだと思う。

2017/04/03

じゅん。

1920年代のアメリカの輝き。 その背景が物語に根付いてる。 「バビロン再訪」を読んだ時の衝撃は大きかった。フィッツジェラルドのエッセンスを強く味わえる至高の一冊。

2020/12/17

むーん

フィツジェラルドはギャツビーはすごい良いけど他はどうなのかなと思って読んでみた。全体的にいいなーと思ったけど、中でも「メイ・デイ」と「バビロン再訪」の2つが良かった。特に「メイ・デイ」の方は群像劇という構造をとりながらも、登場人物1人1人が1人の人間のある一面、深読みすればフィツジェラルド自身を反映しているように思えた。そして彼ら全員と時代の描写から感じとれる刹那的で破滅的なドタバタ感、ハチャメチャ感といったものに割とマジで心惹かれた。なんていうかちょっとダダっぽい雰囲気なのかな、それがすごいイイ。

2016/10/14

29square

いわゆるフィッツの良いとこ選り抜き短編集。一部再読。初読の「メイ-デイ」はフィッツにしては珍しい群像劇とメッセージ性の強いラスト、これはまるでサリンジャー。ただ酔客の様子を書いてるだけで怪我した白鳥を見るような雰囲気出せるのは流石の筆。

2021/09/18

ドウ

題名通り。『リッツ・ホテル・・・』は、大学に入って間もない頃に荒地出版社の全集で読んだときには舞台設定が荒唐無稽過ぎて退屈に思えたけど、ちゃんと主人公の心情を想像しながら読んでいくと面白い(鈍感な私がそれに気付けるくらいに訳も丁寧ということか)。『金持ち階級の青年』にも共通するが、フィッツジェラルドは豪華絢爛の裏側に潜む孤独や寂しさのようなものを描くのが実に上手い。あとアメリカ文学にしてはオチの一文が単純で分かりやすい気がする。ここでこの話(主人公という人間の物語はおしまい!とはっきり分かるというか)。

2018/06/20

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