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盗賊の森の一夜: メルヒェン集 (岩波文庫 赤 467-1)

盗賊の森の一夜: メルヒェン集 (岩波文庫 赤 467-1)

盗賊の森の一夜: メルヒェン集 (岩波文庫 赤 467-1)

作家
ヴィルヘルム ハウフ
Wilhelm Hauff
池田香代子
出版社
岩波書店
発売日
1998-08-17
ISBN
9784003246719
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盗賊の森の一夜: メルヒェン集 (岩波文庫 赤 467-1) / 感想・レビュー

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てち

とある宿に泊まったが、そこには盗賊がでるという噂を聞いた。そこで襲われないように、寝ずに夜を明かすことを決めた面々。彼らは寝ないようにするため、各々が物語を語ることにした。その小話がどれもこれも全部面白い。小話だけではなく物語の大枠にある盗賊との行方がどうなるかも見所だ。

2021/05/14

彩菜

盗賊が出るという森で、宿の旅人達は用心の為寝ずに物語をする事にしたのでした。鹿銀貨の伝説、ザイードの運命…お話は何と面白く叡知に満ちているのでしょう。人の世には欲望という名の暗い森があり、望む望まないに関わらず迷い込む事があるのです(旅人達も今、盗賊という名のその森で迷っているのかもしれません)。其処では尋常でない幸運を拾おうとせず、慎みと優しさと分別を持って歩かねばならないと物語は教えます。…時が経ち旅人の一人があの夜を懐かしく思う時、彼を援けた優しさと慎みが暗い森に輝く灯のように美しく見えるようでした

2022/06/06

seacalf

まず、そのシチュエーションに心が躍る。 森深くにある旅籠に泊まりあわせた面々が、辺りに気配感じる盗賊に襲われないよう、夜通し起きて珍しい話を披露しあう。 なんと惹かれること。酒瓶片手に参加したくなる。とはいえ、当の本人たちは命がけなのだが。 入れ子状のなったお話ひとつひとつも面白いが、現代以上に「語り」に力があった当時の説話としても興味深い。 本筋の話も波乱万丈の末のハッピーエンドで出来過ぎ感は否めないが、大団円の結末で自分好み。

2016/12/10

藤月はな(灯れ松明の火)

盗賊に囲まれた宿で皆が眠ってしまい、襲われないようにお話をする話。アラビアン・ナイト風や妖精が教える本当の徳、強欲故の悲劇などバラエティに富んだ語られた話は魅力的ですが伯爵夫人を逃がそうと身代りになったり、盗賊の囲む宿からの逃走などの冒険的な要素もあって面白さがぐんと増しています。それらの話に共通するのは「真面目に働き、人に慈悲を与える者は最後には幸せになれる」ということ。最後の大団円は心が温かく、なります。

2012/04/13

リカステ

ハウフは初読、だけど訳はお馴染の池田さん。盗賊に寝込を襲われるのを恐れて、物語をして目を覚まそうとする若者たち。それぞれの話が純粋に楽しくて、自分も盗賊の森にいるような気分になった。確かに突っ込みどころはあるかもしれないし、ワンパターンさは否めない。しかし、これほど臨場感のあるメルヒェンはまたとないだろう。もっと有名になってもいいと思うのだけれど。 「鹿の銀貨」「冷たい心臓1」「ザイードの運命」「スティーンフォルの洞窟」「冷たい心臓2」収録。 【メモ】「冷たい心臓」は再読すること。

2015/11/24

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