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罪と罰 下 (岩波文庫 赤 613-7)

罪と罰 下 (岩波文庫 赤 613-7)

罪と罰 下 (岩波文庫 赤 613-7)

作家
F.M.ドストエフスキー
江川 卓
出版社
岩波書店
発売日
2000-02-16
ISBN
9784003261378
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罪と罰 下 (岩波文庫 赤 613-7) / 感想・レビュー

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nobby

人は誰しも過ちを犯す…そして人道・規範・法律に照らし合わせられた結果から、罪を贖うため罰を受けるとされる。ただ、『罪と罰』双方とも解釈の仕方は様々だ…世俗の大半による基準で定めても、本人に響かなければ意味がない葛藤…自らの誇りあるいは蔑み、周囲からの過剰または皆無な期待や愛情故に自覚に至らない価値観は悲劇だ…それを最終的に支えるであろう家族・友人らによる愛という存在も、そこに辿り着くかは本人の生き様に起因とはまさに無限ループ…少なくとも僕は、今当たり前に感じている日常を楽しみつつ凡人として生きていきたい…

2020/08/16

aika

この結末を選んだ荒くれ者のドストエフスキーは、人間の可能性を信じた、慈愛に溢れた人だと思いました。自身に根っこがないために、世俗の易しい流行りに呑み込まれる薄弱さと、たとえ身を落としたとしても、自身の罪に向き合い、支えとなるひとに導かれ、真の人間性に目覚めて救われていく。初めて読んだときには、ラスコーリニコフの病的な猟奇さばかりが目に留まりましたが、ラスコーリニコフを支えるドゥーニャとソーニャの、神聖なまでの純真さと、どのような屈辱にも耐え抜く力強さに、心を突き動かされます。女性がもつ特性が印象的です。

2017/12/07

Mishima

最後まで読んでも主人公ラスコーリニコフを嫌いになれなかった。理想と自尊心が高いってとこで、だいぶやっかいだし、病的なほどの妄想癖と自己愛は他者を受け入れる間口が狭すぎる。いうまでもなく変人なのだけれど、汚濁を感じさせないというか。タイトルからしても、深遠なる大テーマが流れた物語なのだけれど、遅読症の私でも、がしがし読めるリーダビリテイ。訳も相当に読みやすさを助けたと思う。劇で言えば「名役者ぞろい」といおうか、キャラが立ちまくり。なにより、人物造形がこの上なく素晴らしい、と思う。

2017/05/14

かごむし

あの「罪と罰」を読んだぞー。と、いう達成感はある。学生の頃から、何度挑戦してもくそつまらないなと思っていた「罪と罰」が今読むと最高に面白い作品だった。エンターテイメントとしても十分面白いのに、読み終わってみればとても大きな物語である。「罪と罰」には主題があり思想があり哲学がある。そして、そのロジカルなものからはみでてしまう人間の情念、不合理、そこから生まれる信仰がある。会話劇のように進む濃厚な物語を読み終わったあとには、誰しも雄弁に語りたくなるのではないだろうか。偉大な作品であった。読んで本当によかった。

2019/09/30

たか

全3巻。有神論と無神論の対決や、貧困に喘ぐ民衆、社会主義思想への批判など、普遍的かつ哲学的なテーマを扱った非常に重厚な作品。 主人公ラスコーリニコフと、彼が犯した老婆殺しの事件を追及する予審判事ポルフィーリィとの論戦や、ラスコーリニコフの罪の意識が増長し、苦悩する様が見もの。C評価

2018/02/02

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