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カルヴィーノ アメリカ講義――新たな千年紀のための六つのメモ (岩波文庫)

カルヴィーノ アメリカ講義――新たな千年紀のための六つのメモ (岩波文庫)

カルヴィーノ アメリカ講義――新たな千年紀のための六つのメモ (岩波文庫)

作家
イタロ・カルヴィーノ
米川良夫
和田忠彦
出版社
岩波書店
発売日
2011-04-27
ISBN
9784003270950
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カルヴィーノ アメリカ講義――新たな千年紀のための六つのメモ (岩波文庫) / 感想・レビュー

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Bo-he-mian

イタリア文学界の巨星イタロ・カルヴィーノが、ハーヴァード大学で'85~'86年に5回に亘り行った講義を書籍としてまとめたもの。テーマは、『新たな千年紀に向けて伝えるべき文学の価値』。本来は全6回の予定だったが、カルヴィーノの死去に伴い講義は5回で終わり、その代わりに巻末に彼が講義のために準備していた手稿からの抜粋が掲載されている。これは「6回目の講義として予定していたものではない」と但し書きがあるが、「始まりと終わり」と題されたそれは講義の最終章ではないかと思うほど、明確なテーマのもとに書かれている。

2018/12/18

Bartleby

軽さ、速さ、正確さ、視覚性、多様性+始まりと終わりの6つの視点から語られる文学論。どこまで理解できたか自信はないけれど、とても刺激的だった。最後の「一貫性」が書かれる前に作者が亡くなってしまったことが本当に惜しい。でも未完結だからこそ、訳者が試みているように、カルヴィーノが何を書こうとしたのか想像してみてもいいかもしれない。書かれていること、書かれていないことも含め、読むたびに読者に何かを与えてくれる本だと思う。

2012/08/09

ラウリスタ~

これまたハーヴァードでの講義。ボルヘスとかと同じシリーズの講義らしい。この連続講義ラスト一回を残して急死したカルヴィーノさん、いつ死ぬか分からないものです。テーマは大分大きく出ました。短編小説作家の捉える文学観ということで詩人の文学観との違いなんてのも垣間見れる。それにしてもたかが大学の講義でこれほどまでの準備をするとはカルヴィーノさん凄いな。それ以上にこれほどまでの準備をさせるハーヴァードの伝統は凄い。イタリア人初だから気負いすぎたのか?命をリアルに削るとは

2011/07/14

kenitirokikuti

猪木正道の『共産主義の系譜』に共産主義はメフィストフェレスであり、アンチテーゼを脱しない、とあった。ふと本書の語る「ペルセウスのメドゥーサ退治」を思い出した。第一の講義「軽さ(lightness)」である。メドゥーサを直視すると石となる。ペルセウスは翼あるサンダルで宙に浮き、磨いた青銅の盾を鏡として用い、鏡に写った像を頼りにして眠るメドゥーサの首を落とす。 コリント第1 13:13 今われらは鏡をもて見るごとく見るところ朧なり。然れど、かの時には顏を對せて相見ん。

2019/12/29

Tenouji

この本を読み「ガンダム」が、なぜ、今も語られるのか、突然、理解した。思考そのものが、ある浮遊感や疾走感を渇望するもんなんだ。その感覚が想像力として何かに結実する、言葉による、その方法を考察している。

2016/02/15

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