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ロボット(R.U.R) (岩波文庫 赤 774-2)

ロボット(R.U.R) (岩波文庫 赤 774-2)

ロボット(R.U.R) (岩波文庫 赤 774-2)

作家
カレル・チャペック
Karel Capek
千野栄一
出版社
岩波書店
発売日
1989-04-17
ISBN
9784003277423
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ロボット(R.U.R) (岩波文庫 赤 774-2) / 感想・レビュー

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absinthe

ロボットが人間にとって代わって世界を手に入れてしまうお話。類似の話が繰り返し作られているが、ロボット反乱ものの話はほとんどがこれのリメイクと言っても過言ではないほど良くできた話。でも、作者は人工知能がこの世を支配する危険を書こうとしたわけではないらしい。時間に縛られ自由を奪われた当時の労働者の姿がロボットに見えた。ロボットに支配された世界は、働く権利を行使しているというよりも働く義務だけが与えられた当時の人々の隠喩でもあった。

ehirano1

今となってはおっそろしくシニカルなのにブラックユーモアが満載で読中もう何度苦笑したことか。著者と友達になれたら楽しかったかもしれないと斜め上の感想を抱きました。そして、理性や合理性の内在的理論を改めて思い知らされます。

2022/09/20

NAO

最初人間が自分たちの利益のために利用していた者が、徐々に知恵をつけ、ついに自分たちの支配者である人間に逆らう。こういった展開は、『山椒魚戦争』とよく似ている。だが、話はそこで終わらない。ロボットたちもまた、自分たちのことだけを考えた狭い考えで、結局は自分の首を絞めることになる。百年前に書かれたとはとても思えない古さを感じさせないチャペックの戯曲は、近未来の予言書のようだ。

2017/12/10

財布にジャック

チェコに行こうと観光ガイドを読んでいて、初めて知ったカレル・チャペックさんですが、チェコでは超有名な作家さんなんですね。ロボットの語源ともなったこの作品は、1920年に書かれたのに、今読んでも充分に楽しめました。ところどころにある写真や絵が、ドキッとします。なんともシュールな雰囲気で、内容も考えさせられる内容です。あと100年後いや200年後に読んだらどんな感想になるのかと、想像してぞっとしました。

2013/06/22

藤月はな(灯れ松明の火)

PYCHO-PASSがきっかけとなったディストピア再読の一つ。人間による身分階級や格差を失くすために人間はロボットを作った。しかし、それは「人間が上位で、ロボットが下位」という階級へとシフトしただけに過ぎなかった。そしてロボットに依存するようになってから人間が生殖機能を失い、ロボットに殲滅されて滅ぶしかなかったという事実もぞっとします。人権団体に所属していても丸め込まれて都合の悪い事実には目を向けないヘレナ(人間)の馬鹿さ加減に苛々します。でもラストの愛を知ったロボット二人の行く末は優しいのが希望かな。

2014/07/21

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