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根をもつこと(上) (岩波文庫)

根をもつこと(上) (岩波文庫)

根をもつこと(上) (岩波文庫)

作家
シモーヌ・ヴェイユ
冨原眞弓
出版社
岩波書店
発売日
2010-02-17
ISBN
9784003369029
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根をもつこと(上) (岩波文庫) / 感想・レビュー

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おおた

岩波文庫品切れ間近なので急いで入手!占領されたフランスを脱出して、亡くなる直前にこれだけの論考をものす方が倒れた、その人類的損失にまずは悲しみを表したい。彼女の愛国心は、昨今日本で取り交わされているものとは異なる、「根こぎ」への根源的な不安だ。今のわたしたちも国への距離感が取り切れない。わたしたちの忠誠心はどこへ向かえばいいのか、真実の言葉はどこにあるのか安易な解答にぶら下がってはいけない。欧州のキリスト教の普遍さと比べて、日本の宗教はえてして国民感情の制御に使われてしまうのに根本的な教育の差を感じる。

2019/08/29

傘緑

「根を持つこと、それはおそらく人間の魂のもっとも重要な欲求であると同時に、もっとも無視されている欲求である」フーシェ、タレイラン、そして何よりリシュリューをこの本で正当に評価(批判)して頂いて、私は嬉しい。 リシュリュー、この教皇の宰相、国王の枢機卿という二股の”根無し草”。機を見るに敏いが常に四面楚歌の悪辣な能吏が作り出し、すがりついた「国家」という方便、その「国家理性」の一歩先に全体主義があり、”デラシネ”フーシェはその「警察=国家」の完成者である。もはや不要となった「王国」は彼の一票により処分された

2016/10/09

いやしの本棚

ひきつづき下巻も読まねば何とも言いかねるけれども、ヴェイユにとって苦しみは生きることのデフォルトなんやな…などと、ぼんやり。「人間が永遠なる運命を有するという事実は、ただひとつの義務だけを要請する。すなわち敬意という義務を。」「義務は無限だが、対象は無限ではない。」「この矛盾がいっさいの例外なくすべての人間の日常の生に重くのしかかる。」 「われわれは人間に与えられた状況をうけいれ、相対的で限界のある不完全な事象にたいして絶対的な義務をはたさねばならない。」

2018/04/29

白義

ヴェイユの集大成とも呼べる著作。魂が根を持つために何が必要か、何がそれを阻害するか。人から根を奪う根こぎの分析に特に紙数が割かれている。特に、国民国家と根の関係性を論じた部分は重要だ。国家は人から根を取り去る最大の装置の一つでありながら、それ自体が根付くための要素にもなりえる。手放しの肯定は一切できないが、すべてを批判すればそれで終わりというわけでもない。ナショナリズム論としても最重要作だが、無論そんな次元を超えている

2011/01/31

兎乃

自由フランス政府に祖国潜入の希望を拒絶され、解放後の仏国の未来についての立案を命じられたヴェイユは、本書を病に倒れるまで書き続ける。それまであらゆる社会的集団を「悪魔の領域」と言った彼女が、「新しい愛国心」を訴えるのは何故か。集団への厳格な否定・拒絶が 敗戦という危機にあって衰弱し、その結果として最も明快な集団的理念へと回帰したのだろうか。→ 

2012/08/24

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