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根をもつこと(下) (岩波文庫)

根をもつこと(下) (岩波文庫)

根をもつこと(下) (岩波文庫)

作家
シモーヌ・ヴェイユ
冨原眞弓
出版社
岩波書店
発売日
2010-08-20
ISBN
9784003369036
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根をもつこと(下) (岩波文庫) / 感想・レビュー

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傘緑

「根こぎにされ、ウィーンの路上をさまよい、偉大さに飢えた、かのみじめな青年…」 痛々しいほどに青い本、すがりつくような彼女の絶望の叫びが伝わる。「『私たちは被圧迫者の側に立つべきなのよ』…『なんの名において〈べき〉なんだね。それで何をすると言うんだね』『とにかく自分の魂は救えるわ』(空の青み)」 ややバタイユの思惑で曲げられたところもあるが、「結局は自己愛の延長の隣人愛、極めて功利的」というヨブ記の悪魔に似た敵対者・バタイユの哄笑は、一面の真実を捉えていると思う。ヴェーユ自身が救いを待ち望んでいたという…

2016/10/09

いやしの本棚

わたしはこの本の読み方を間違えているかもしれない。ヴェイユは祖国フランス再建のためにこの論考を書いた。わたしはフランスではなく、目の前の壊れかけている場所を再構築するための指針として読んだ。職場がこうなったのはシステムの問題だと、毎日痛感させられている。再構築するために必要なものは何か、それから、その仕事に手をつけようと思うなら、どんな心構えでのぞむべきなのかと惑っていたのだけれど。『根をもつこと』は、規模はもちろん違うけれど、図書館という小さな「集団」の「根こぎ」と「根づき」について考えさせてくれた。

2018/06/16

ラウリスタ~

これは万人にとって重要な論考ですが、僕にとってはとんでもなく重要な論考になりそうです。ヴェイユが文字通り命を削って書いた遺作がこの『根をもつこと』。生前は疎まれてじめじめした部屋で仕事をさせられたヴェイユですが、その窓際からとんでもなく重要な論考が生まれるのです。これほどの若さでありながら古今の大学者、英雄、哲学者の誤謬を恐れる様子なく断罪し、フランスの進むべき道を照らす。このあまりにも真摯な問題意識と、なによりもその観点の意外性とある意味での当然性は衝撃的。最近読んだ中ではもっとも共感できる作家。

2011/06/24

CCC

批判力はあるけれど、まともな対案を出さない人だと思った。著者はよほど妥協が嫌いなようだ。しかし行き過ぎて善から生じるもの以外全て認めない、というレベルまで達している。でも著者の想定する絶対的な善や美は、この世に存在しないものに思える。著者はこの世が嫌いなのかと感じた。

2017/12/05

白義

第三部を収めた下巻では、人の魂が根をおろすために何が必要なのか、どう根付くかを説く。恐らく上巻よりはるかに難解だろう。労働や知識の中にある聖性の見直しと、力の崇拝の否定、弱さに着目し、真・善・美が一致する道を模索している。ヴェイユの中で他者はどう扱われていたのだろう。人はむしろ自ら根をはるのではなく、他者との交流に触発されて根が開くものではなかろうか。このあとにデリダやレヴィナスを読むのを勧める

2011/02/02

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