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新しい文学のために (岩波新書)

新しい文学のために (岩波新書)

新しい文学のために (岩波新書)

作家
大江健三郎
出版社
岩波書店
発売日
1988-01-20
ISBN
9784004300014
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新しい文学のために (岩波新書) / 感想・レビュー

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藤森かつき(Katsuki Fujimori)

面白い。私の頭には、今ひとつ難しいが、でも面白い。芸術としての小説の読み方と書き方。クタビレた言葉を洗い流し、真新しい言葉に仕立てなおす、その努力が必要で、詩や小説はそのためにあるのだという。「異化」ということを、もっと深く考えてみたいと思った。また、他の人間によって作られた理論を、そのまま自分が書くための理論とするわけにはゆかない。自分の中の転換装置を通し、その過程を通じて、書くための理論になり、書く人間としての自分がきたえられる。ということだけど、作家の主体、というような、その転換装置が難しいよねぇ。

2020/01/28

べっち

★★★自分にとって馴染みのない文学を理解しようと思い、読んでみました。難しかった。ぼんやりとしか分からないがこれが限界だと思う。心に残ったのは、「芸術はものを自動化の状態から引き出す”異化”の手法」例えば、石とか川などの言葉をまるで初めて見たもののように見せることを言う。しかし、これには読み手の能動的な行為が必要。様々なことに関心を持つ必要があり、想像力が要求される。ただ、「想像力はイメージを形成する能力ではなく、知覚によって提供されたイメージを”歪形”する能力である」というのはよく分からない(*_*)

2015/02/08

G三世

これは貴重な本。タイトルからは書く人を対象とした内容に思われるが、受動的な読書を続けていた人に、能動的な読書の仕方を教えてくれる指南書でもある。特に難解でわかりにくいと敬遠されることも多い日本近現代文学や海外文学を読んでいく中で、この本は大いに助けになると思う。大江健三郎自身述べているように、この本だけがすべてではなく、一つの橋渡しとして読んでみることをお勧めしたい。新書で書き方も平易ながら、非常に刺激的な本でした。今この瞬間とは距離を感じることもあるが、私はこの本の立ち位置を好む。

2016/08/23

梟木(きょうぼく)

日常的な「もの」の異化、手法の露呈化、神話的な女性像の構築といった大江文学の原理をなす手法が、あらかた教示されている。神話や元型という無意識の領域に、あくまで意識的に繋がっていこうとする試み。それは大江が創作において強く意識する「読みながら書き、書きながら読む」という〈理論=実践〉の態度に深く連なるものでもある。新たに生まれた世代の書き手にとって、大江の呼びかける文学理論の実践は(環境的、市場的条件の貧しさの進行によって)困難で不利なものとなる一方だが、彼の言葉から学びうる部分はまだ幾らでも残されている。

2013/03/11

Lily603

★★★★★ 最近になってちょっとずつ"純文学"というものに触れ出して、おもしろかったり「よくわかんらんぞ・・」と思ったりしていたが、この本を読んでそんな感覚がどこから来たか少し掴めた気がする。「文学とはなにか、文学をどのようにつくるか、文学をどのように受けとめるか、生きて行く上で文学をどのように力にするか」そんな根源的な質問に堂々と真正面からごりごりと答えてくれる姿勢が、とても嬉しい。

2012/09/17

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