災害救援 (岩波新書 新赤版 401)
災害救援 (岩波新書 新赤版 401) / 感想・レビュー
佐島楓
阪神大震災から東日本大震災に至るまであまり変わっていない実態(モノ・カネ優先の支援、マニュアル頼りの政府対応など)、長期化するであろう被災者への精神的なケアに思いが至った。著者は精神科医でもいらっしゃるようで、ぜひこの本以後、つまり阪神大震災から今現在までの追跡調査もしていただきたく思う。同時に自分も本当に被災者視点で物を見られているか反省材料になった。
2013/08/07
モリータ
◆1995年7月刊。著者は1944年生、精神病理学を専門とする精神科医、評論家。大学教授も歴任。◆第1部「災害の構造」は奥尻・雲仙に取材した94年刊の岩波ブックレット「災害救援の文化を創る」と同じ。第2部「救援の思想」は『週刊ダイヤモンド』の連載「阪神大震災の現場から」を骨組みとする。こうした構成もあって、『わが街・東灘区森南町の人々』に比べると記述が散漫な印象。災害後の被災者の心のあり方の推移や「心の傷」の歴史、各種論説の言説の分類などはふむふむ、という感じ。マスコミ、専門家批判は激越な部分もあり微妙。
2023/02/08
takao
ふむ
2024/04/19
Cinejazz
危機に強いのはシステムやマニュアルでなく、それを支える人々の文化だ。 システムやマニュアルはその文化の一部にすぎない。 権威的で職制による上から下への命令システムは、平時で総ての条件が整ったときしか力を発揮しない。 緊急事態には、「予測された緊急事態」と「予測を超えた真の緊急事態」がある。(P.90) 究極の危機管理体制なるものは作りえない。 対等な人間関係をもとに得られる情報と持てる資源の管理ができる小集団が自生していく文化こそが、危機に対応できる。(P.100)
2017/11/04
sai
今だからこそ読んでわかることもある。
2011/12/30
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