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ジェイムズ・ジョイスの謎を解く (岩波新書 新赤版 429)

ジェイムズ・ジョイスの謎を解く (岩波新書 新赤版 429)

ジェイムズ・ジョイスの謎を解く (岩波新書 新赤版 429)

作家
柳瀬尚紀
出版社
岩波書店
発売日
1996-01-22
ISBN
9784004304296
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ジェイムズ・ジョイスの謎を解く (岩波新書 新赤版 429) / 感想・レビュー

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KAZOO

この本は私は「ユリシーズ」の入門書だと思っていたのですが、ユリシーズのなかの第12挿話においての「俺」が何者かを解明している本です。ですので私みたいに「ユリシーズ」に再挑戦をしようというものにはあまり価値がなく一通り読んだ人のための本だという気がしました。まあ結構面白い本だと思いました。私は丸谷さんの「ユリシーズ」を読んで1冊目の途中でダウンしてしまっています。再度挑戦しようかとも思っています。

2015/12/14

燃えつきた棒

前回、『ジョイスを読む』の感想で、ジョイスは『ユリシーズ』によって母を「転生」させようとしたのではなかっただろうかと書いたが、ジョイス先生、ひょっとしたら父も「転生」させようとしてる? ブルームの「寝取られ亭主」、「性的不能」、「男の子を失って悶々としている」などの属性は、母を十五回妊娠させ、四男六女をもうけた父の「有能な種付け牛性」の見事な裏返しになっている。 また、『ユリシーズ』の描写の端々に感じられるジョイスのカトリックへの憎悪は、「堕胎の禁止」あたりにもその淵源があるのではないか?/

2022/04/19

チェ・ブンブン

著者のテンションが高すぎてついていけなかったw5章で筆者は新書ではありえないくだけた言葉でユリシーズを解読しはじめるのだ!畢竟、「ユリシーズ」を読むとはアイルランドのダジャレや言葉遊びを日本語に訳された中から探し出す喜びをわかる人が読むものなんだなと感じた。そして、翻訳者の苦悩がよくわかったw

2013/12/20

AN

『ユリシーズ』の第12挿話『キュクプロース挿話』に出てくる謎の人物(?)の検証と読書への誘い。この独特な説、これはこれで面白いと思った。柳瀬訳の『ユリシーズ』の最後の章にこの謎への答が反映されているようなので、機会があれば読んでみたい。柳瀬氏の『ユリシーズ』愛があまりに溢れていて、本当にこの作品が好きだったのが分かる。それ故、全巻の翻訳が完成しなかったのが残念。各章の試訳も楽しめた。

2019/06/17

ハチアカデミー

B ジョイスを、『ユリシーズ』を原文で読むことは、おそらく読書家にとって至上の幸福なのではないか。本書を始め、ジョイスの研究書を読む度にそう思ってしまう。ジョイス訳者として知られる柳瀬尚紀氏のユリシーズ第12章読解の書であるが、未読者でも十二分に楽しめる一冊。「俺」と名乗る語り手はずばり「犬」であるという「発犬伝」が、その真偽はともかく刺激的。誤読すれすれでも論じきる姿勢も、『ユリシーズ』の中で『ハムレット』論を語る主人公・スティーヴンのパロディであり、ジョイスへの敬意である。ああ、原文読めるってずるい。

2012/12/28

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