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短歌パラダイス: 歌合二十四番勝負 (岩波新書 新赤版 498)

短歌パラダイス: 歌合二十四番勝負 (岩波新書 新赤版 498)

短歌パラダイス: 歌合二十四番勝負 (岩波新書 新赤版 498)

作家
小林恭二
出版社
岩波書店
発売日
1997-04-21
ISBN
9784004304982
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短歌パラダイス: 歌合二十四番勝負 (岩波新書 新赤版 498) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

2日間にわたって熱海いざわ荘を舞台に、丁々発止の歌合せが行われた。これはその記録である。集まったのは現代を代表する歌人たち。最長老の岡井隆をはじめとして最若手の梅内美華子まで総勢20人。河野裕子に俵万智、道浦母都子、水原紫苑、永田和宏に穂村弘など実に錚々たる顔ぶれである。判者に選ばれたのは詩人の高橋睦郎。大滝和子の「オランウータン食べられますか」や俵万智の「発芽してゆく我の肉体」などが、この時に詠まれたとは知らなかった。しかも、これらが負になってしまうほどの実力歌揃いなのである。

2020/07/12

kaizen@名古屋de朝活読書会

壮大な計画。 歌人を20人集め「紫(むらさき)」と「くれない」に分けて歌合。参加者。井辻朱美,大滝和子,水原紫苑 三枝昴之 永田和宏 杉山美紀 吉川宏志 紀野恵 穂村弘 岡井隆 田中槐 小池光 河野祐子 萩原裕幸 梅内美華子 奥村晃作 東直子 俵万智 道浦母都子 加藤治郎 場所熱海1泊2日。2日目は、3つに分けて歌合。岩波の十時由紀子と川原裕子が参加。 1日目と2日目が違う方式なので、本としては面白みが増している。歌に触れたことがある方は3-4人だった。 http://bit.ly/10CJ7MZ

2013/04/21

太田青磁

富士額恥づるが如く学帽を深くかむりて少年われは・乳飲むと胸にすがれる太郎次郎オランウータンの母はいとしむ・台湾の蛇屋のむすめ楊月麗樹下にうたへばそのこゑなびく・夕闇にとろりと門は融けはじむ背に膨みてゆく桜花・昨日の夜の酔いはぼろぼろ脈絡のいずこに君の嘘を許せし・夏休みの朝の冷たさねずみとりの籠を沈めて脛までの川・傾けむ国ある人ぞ妬ましく姫帝によ柑子差し上ぐ・政変未遂とあの日の合歓とイチローの打球の軌跡まなうらに棲む・はとむねのはとこといとこキマイラのぬり絵の上と下とを分けあう

2016/04/27

スノーマン

熱がぶり返すように再読している本。何回読んでもパラダイス!変人奇人に服を着せたら歌人になる…とは言い過ぎやけど、そんな人間20人を温泉宿に集まらせて歌の勝負をさせるんやから面白くない訳がない。短歌を深く読まず、ただ感覚のみで惹かれている私みたいな読者のために、分かりやすい小林さんの良識的解釈&自己主張の激しい歌人からの強烈アピール付き。巻末に歌人の自選歌も五つずつ記載されていて、最後まで興味が尽きない。ただ、短歌は声に出して読んでこそ。ブツブツと本を読む自分の姿は、かなり異様で絶対人から見られたくない…。

2013/09/06

瓜坊

短歌同士の一騎討ち、とチーム対抗戦。短歌を詠む愉しさという「読む」面白さに関心を持てる。筆者が語るには、短歌含めて日本の文芸は相互鑑賞、批評によって展開されてきたが、今は詠める人はいても「読める人」はどれだけいるのか、と。実際この本を読むと参加した全ての歌人に対して、その天才性を賞賛したくなるけれど、歌合の進行役である筆者の解説が歌一つを丁寧に深く深く掘り下げていて、むしろそちらに脱帽敬意。当然、他者の歌を弁護する歌人たちの「読み方」も個性が際立って、より各々の作家性が伺える。『歌「読み」に与ふる書』

2017/02/16

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