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一葉の四季 (岩波新書 新赤版 715)

一葉の四季 (岩波新書 新赤版 715)

一葉の四季 (岩波新書 新赤版 715)

作家
森まゆみ
出版社
岩波書店
発売日
2001-02-20
ISBN
9784004307150
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一葉の四季 (岩波新書 新赤版 715) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

濃い内容を持った素晴らしい本だった。Ⅰで樋口一葉の人生を簡潔に記し、Ⅱで一葉の作品を通して明治の普通の人達の生活を描き、Ⅲで一葉と交流のあった明治期の作家を紹介している。私の好みはⅡで、今の日本からは失われようとしている季節感のある暮らしを、詩情豊かに書いている。この章では一葉の日記が多く引用されて、彼女の香り高い文章に惚れ惚れした。この章で紹介されている一葉の半井桃水への恋文が切なくて、涙がこぼれた。苦労の連続ながら、志を高く持ち創作活動に命を捧げた一葉の人生に、本当に励まされる思いだった

2017/09/10

奥澤啓

一葉に親しんできた人には、目新しいことが書かれているわけではないけれど、一葉が生きた場所で生まれ育った後世の作家である森まゆみという人が、長年、親しんできた日本初の女性職業作家の生涯と作品ととりまく人たちの人間模様を達意の文章で書いたらこうなったという一冊。編集者としての森まゆみと文章家としての森まゆみが見事に一冊の中に生きている。谷根千の地誌と鴎外、漱石、子規、そして一葉などの作家の、作品、生涯、交友関係を現代に蘇らす作業は、森まゆみの文業の大きな部分を占める。一葉事典のような使い方もできる内容の一冊。

2017/06/08

かふ

NHKプレミアム『恋する樋口一葉』を観て書棚にあった新書を読む。番組は大学を卒業した女性が演劇で樋口一葉を演じる、メイキング番組のような、青春ドラマ。2000年代の演劇女性と樋口一葉の人生を重ね合わせる。樋口一葉の貧しさや女性作家ならではのハンデの中で小さな文机が執筆場所だった(ヴァージニア・ウルフ『自分だけの部屋』と繋がっている)。小説家を目指すのは、家族を養うためでもあった。見開き2ページに、樋口一葉のエッセイ的文章を一葉の和歌や作品を引用しながら語る。読みやすくて一葉を知るには手頃の入門書だと思う。

2022/02/09

双海(ふたみ)

一葉死後の根も葉もない噂や中傷に反論した上田敏・・・いい男・・・。

2013/12/10

てくてく

一葉の日記を読み解きながら、彼女の人生や、彼女が生きた時代の風物詩について綴られていて興味深かった。一葉の小説はダイジェストで読んだだけで、かつ、彼女の小説のテーマというのもあまり興味をひかなかったのだが、日記に出てくる、江戸時代を引きずりながらも文明開化の影響がそこはかと顔をだすという指摘などは面白かった。

2015/02/21

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