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本よみの虫干し―日本の近代文学再読 (岩波新書)

本よみの虫干し―日本の近代文学再読 (岩波新書)

本よみの虫干し―日本の近代文学再読 (岩波新書)

作家
関川夏央
出版社
岩波書店
発売日
2001-10-19
ISBN
9784004307532
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本よみの虫干し―日本の近代文学再読 (岩波新書) / 感想・レビュー

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KAZOO

関川さんの日本近代文学に関するご自分の感想や時代性などの評論を簡潔に2~3ページづつにまとめたものでほかにはない意見などがあり私には新鮮な感じに写りました。このような読み方もある、これだけ簡潔に自分の考えを表現できるということで、自分の表現の仕方について反省することしきりです。私にはいい本でした。

2015/12/03

kaoriction

「虫干しすべきは本ではない、本よみ自身だろう」。朝日新聞に掲載されたコラムをまとめたもの。関川さんの独特で不思議な語り口。小気味良く、こういった文学思想的な作品にありがちな毒もあまりなく近代文学の世界へ。片岡義男を取りあげていることが興味深く、その視点に「うんうん」と頷いてしまう。「病気、貧乏〜」の項がやっぱり好きかな。関川さんに感化され、再読したい作品も多々出てきてしまった。武者小路実篤『友情』、徳冨蘆花『不如帰』、田山花袋『布団』など。そして、新たに伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』を読みたいと感じた。

2013/12/25

奥澤啓

一気に通読して感嘆した。明治以降の作家を読み込み短文でその生涯と作品を俯瞰する。随所に発見と気づきがある。現代では読者は皆無であろうと思われる作家については読書欲をそそられるだろう。獅子文六を読んでみたい。本が手に入るだろうか。図書館本に頼るしかなさそうだ。文章が心地よい。樋口一葉の栄養失調のひどさ。啄木のいい加減さ。明治時代の人がいかに米を食べたか驚く。日に三合、四合も食べたていた。しかしお菜があまりにも貧弱。栄養失調になるのも当然だ。当時の貧困のすさまじさに驚嘆する。本書を範として読メの投稿を磨こう。

2019/04/23

kuri8655

『坊ちゃんの時代』に登場した作家をどう評しているのかが当初の関心だったのだが、一生読む気は無かった作品に次々魅せられてしまった。例えば阿佐田哲也や片岡義男や戦争文学の数々。書かれた時代を作家の内から外から眺めることで、筋を追い文体を味わうのとは全く違った理解が可能なのだと知った。「文学は個人的表現であると同時に時代精神の誠実な証言である」忘れずにいよう。しかし要約も評もあまりに上手く、元のテキストまで読んだ気になってしまう。また数名に関しては『おじさんはなぜ時代小説が好きか』のダイジェストのようである。

2013/07/06

奥澤啓

ひとり娘の道子は若い時から脳腫瘍に悩んでいた。手術が成功して回復したものの鬱病を患ってもいた。開高が父親として娘を思う気持ちを想像すると胸が痛む。翻訳をだしたり、父親同様文筆で頭角を現しつつあったものの、茅ケ崎駅近くで鉄道自殺した。鬱病故だったのだろうか。父親の死に耐えられなかったのだろうか。自ら命を絶つ人の心中は計り知れない。牧羊子は「自殺」ではなく「事故死」だと主張し続けた。どうしてだろうか。わからない。牧羊子も胃潰瘍で孤独死した。戦後を代表する作家の家族には死の影がつきまとう。少し悲しい思いがある。

2019/04/23

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