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感染症と文明――共生への道 (岩波新書)

感染症と文明――共生への道 (岩波新書)

感染症と文明――共生への道 (岩波新書)

作家
山本太郎
出版社
岩波書店
発売日
2011-06-22
ISBN
9784004313144
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感染症と文明――共生への道 (岩波新書) / 感想・レビュー

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goro@80.7

一つ穴を塞いだと思ったらまた別のことろから湧き出てきてそこも修復したのに、また出てくるような感染症と人類の闘い。共生するとはいまだどう捉えれば良いのかわかりませんが、―助かるはずもないという諦めが、無気力と抑うつをもたらし、しばしば人間を死に至らしめる事がある~心身症的状態が感染症の被害を助長した可能性がある―これからはこんな段階に進んでいくのかと思える。風に立つライオンの皆様、ありがとうございます。医療に携わる人たちが倒れてしまうのはリーダーの責任です。そして私たちは出来ることをしましょう。

2020/04/22

Miyoshi Hirotaka

感染症は文明の形を変えてきた。感染症の原因が自然界に存在し、人という環境に適応する前なら人に対する感染力は弱く、感染範囲も限定される。一方、人という環境に適応し、人から人へと感染する力をつけるとパンデミックや定期的流行で文明の形を変え、歴史に影響する。天然痘は新大陸を、ペストはヨーロッパの人口構成を一変した。一方、人という宿主に過剰に適応してしまい、人にしか存在できなくなると利己的な遺伝子は共生を選択する。やがて、ウィルスは人を取り巻く環境や生活の変化に適応できなくなり、数世代から十数世代を経て消える。

2021/04/24

おさむ

コロナ禍に読むべき新書。売れ筋ランキングで1位になるのもわかります。国際保健学者の山本氏が人類と感染症の闘いと共生の歴史をわかりやすく紹介してくれます。インドのカースト制の元になったという説や、文明は拡大する過程で感染症のレパートリーを増やして文明を守る防御とする説など、トリビアも多い。ペストは明の鄭和の大遠征が欧州に広がる一因になったり、デカメロンを生む土壌になったりと大きく世界を変えたことも再認識。さて、今回のコロナはどこまで私達の世界を変えるのでしょうか?

2020/05/06

翔亀

【コロナ8】うむ、これは?!と、読後考え込んでしまった。アフリカなどの感染症対策に携わってきた医師による2011年の書。前半は自らの体験を交えながら、わかり易く感染症の歴史を語る。文明により感染症の流行が引き起こされたこと、感染症により人類の歴史が大きく変えられてきたこと。この分野での先駆的なマクニール【コロナ3】と論旨は同じだが、よりポジティブだ。例えば1665年の「ロンドンの大ペスト」で大学が休校になったおかげで、ニュートンが「創造的休暇」を得て万有引力など近代科学を導いたと、悪いことばかりでは↓

2020/05/05

ちゅんさん

タイトルは『感染症と“文明”』だけど著者が伝えたいのは『感染症と“共生”』だと思った。感染症と“共生”するという事がどういう事か一応は理解できた。だけどそれには「共生のコスト」が必要。著者は“共生”こそが進むべき道であると確信しているけどそれによって対価を支払うことになる個人がいるときどうすればいいか答えを見つけていない。そこを誤魔化さずに書いていることには好感を持てる。大変勉強になった。これを読んだからと言ってコロナに対する恐怖心が無くなるとかはないけれどじっとしてはいられない。

2020/04/22

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