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経済学のすすめ――人文知と批判精神の復権 (岩波新書)

経済学のすすめ――人文知と批判精神の復権 (岩波新書)

経済学のすすめ――人文知と批判精神の復権 (岩波新書)

作家
佐和隆光
出版社
岩波書店
発売日
2016-10-21
ISBN
9784004316220
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経済学のすすめ――人文知と批判精神の復権 (岩波新書) / 感想・レビュー

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KAZOO

佐和先生は、結構数学を使う教科書を執筆しておられました。最近はこのような経済学についての入門書的な本をいくつか出されています。内容は結構エッセンスが詰まっていてわたくしには非常に参考になりました。ピケティがものすごい秀才であったということがわかりました。また制度化された経済学を2年で見限ってしまい、論文はあまり書かないで、本の方を書いていくということのようです。またアメリカの大学の社会科学系の授業で使われる文献トップ100が興味深そうです。1位が「英語文章ルールブック」4位が「共産党宣言」などです。

2016/11/05

壱萬弐仟縁

日本の大学の人社系教員に対し、英語で論文を書くインセンティブを付与することが、日本の大学をランクアップさせる必要条件(9頁)。真の読解力は国語。古典を読むしかない。スミス、マルクス、ケインズはもとより、ガルブレイス、フリードマン、スティグリッツ、ピケティ、アトキンソンも古典(27頁)。ジョブズの言う人文知とは、歴史、哲学、文学、心理学、芸術で、経済学や経営学に非ず(45頁)。森嶋通夫、宇沢弘文両先生は、ノーベル経済学賞受賞の有力候補だった(69頁)。アベノミクスは国家資本主義である(98頁)。

2016/12/16

kawa

経済学の基礎知識入門との思いで手に取ったが、その前段階の経済学の社会的有用性と大学改革の話で、超入門編という趣き。しかし、内容は面白い。今の経済学が、人文知を軽んじ、数学の僕と化しているという記述はなるほどと思うし、文科省の大学改革に対する批判は、その通りと思う(大体、官のやる改革は10中8,9は失敗すると思う、何故なら誰も責任を取らない)。しかし、制度論はそれとして、勉強しない今の大学生の大多数を、どのように著者の主張する思索の世界に引き込むかの提言がなく、その意味で片手落ちなようにも思う。

2017/12/19

skunk_c

ケインズ派の数理経済学の泰斗が、文科省の国立大学宛通知の人文社会系学部の廃止・転換に反発して著した書だそうだ。したがって日本、アメリカ、ヨーロッパの大学教育について結構詳しく書いてあった。ではタイトルが偽りかというと、さにあらず。日本の経済学の流れ、制度化したアメリカ経済学と日本のそれとの違い、ヨーロッパの人文知重視(著者はこれに価値を見いだしている)と、その申し子のようなピケティ、そしてその師匠筋のアンソニー・アトキンソンの紹介など。フリードマンの批判力をちょっと皮肉混じりに評価してみたり。

2016/11/04

Riopapa

自分は文学部出身だが,あまり真剣に勉強もしなかったくせに,文学研究など世の中の役に立たないという気持ちが強かった。真剣に研究していた仲間たちも子どもは工学部に行かせていたりするし,自分も子どもには理系を勧めている。今の大学がどうなっているかわからないが,日本の大学の文系は理系に比べて,学生任せが多く,人を育てるしくみがいまひとつのように思える。そこがうまくできるのであれば,子どもに文系を勧めるだろう。

2019/03/18

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