『レ・ミゼラブル』の世界 (岩波新書)
『レ・ミゼラブル』の世界 (岩波新書) / 感想・レビュー
KAZOO
「レ・ミゼラブル」という作品を通して、当時の政治的背景やヴィクトル・ユーゴーの思想背景などをわかりやすく分析してくれています。私は「レ・ミゼラブル」を一部分ですが中学時代に劇で演じたことがあり作品に対する思い入れは結構ありましたが、ここに書かれているようなことはあんまり意識していませんでした。再読したくなりました。
2017/08/12
ころこ
パブリック・イメージに代表される抄訳に比べて、全訳を読む読者は少ないが、そんな少数派に対する案内だ。前半はユゴーの生涯を通じて、2人のナポレオンに対する評価と思想遍歴を追う。平易で率直な語り口とコンパクトな構成であり、冒頭とジャン・ヴァルジャンの人物造形を考察する章にあらすじもあるので、手許に置いておくのに邪魔にならない。しかしヴァルジャンを19世紀のキリストと位置付けているので、説得はされない。全訳が長いのは「哲学的な部分」があるからだが、近代の過剰な知に対する忌避感があるならば無理して読む必要は無い。
2023/09/10
fseigojp
全5巻だが、一気読みを許さないという点で同時代に書かれたデュマのモンテクリスト伯と真逆 いってみれば司馬遼太郎と池波正太郎の違いとでもいうか。。。。
2017/03/27
あっきー
⭐3 ちくま文庫版レ・ミゼラブルを訳した著者が言うには哲学的部分と言われる膨大な蘊蓄、これこそが実は一番面白いらしい、自分は各巻に100ページ程もあるのに目を通すだけでヘトヘトで、これさえなければ読み易いのに要らねえヨ!と思ってこの本を読んだ訳だが残念ながら面白さは分からなかった、ナポレオンの時代背景やユゴーがフランスの偉大な国民的作家であることが分かりやすく復習として良かった、但しネタバレ本なので読む前の人はお薦めしない 「半ば詩人、半ばアナーキスト、文句なしにこの世紀の王者だった驚くべき男」サルトル評
2022/01/16
TomohikoYoshida
レ・ミゼラブルのあらすじは第一章で紹介される。「ジャン・バルジャンがパンを盗んで云々」というレベルの知識しかなかったが、これを読んでどんな筋の話かは見当がついた。また、ユゴーの思想の変化や、この作品にストーリーに関連して書かれた「哲学的」な思想がどのようなものだったのかが書かれている。この時代の貧困というものの辛さが伝わってくる。ちょっと体調がよくないので、実際にレ・ミゼラブルを読むのは、もう少し先になりそう。
2022/06/20
感想・レビューをもっと見る