抗生物質と人間――マイクロバイオームの危機 (岩波新書)
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抗生物質と人間――マイクロバイオームの危機 (岩波新書) / 感想・レビュー
としちゃん
抗生物質の歴史と、新たに起こっている問題について書かれた本です。抗生物質の発見により、それまで助からなかった命が助かるようになったけれど、その一方で、体の中に常在している有益な菌も殺してしまう。体の中には何かの役割を担っている多くの菌がいて、抗生物質は、その共存関係を撹乱すると著者は懸念しています。抗生物質が必要な病気もあれは、飲まなくても治る病気もあり、飲んでも意味がない病気もあることを認識しておくことが大事かな。因みに、インフルエンザはウイルスなので、抗生物質を飲んでも意味がないそうです。
2017/11/16
活字の旅遊人
タイトルから内容はある程度想像がつく。でも、一読の価値はあった。いや、大いにあった。抗生剤に限らず、医療、いや人類の文明そのものが問われている。今更あとには引けないのだけど。
はなよ
少し本を読んでいれば分かるぐらい基本的な事しか書かれていない上に、話がしょっちゅう脱線してただでさえ少ないページ数の中で表題について語られている事は少ない。 抗生物質について知りたいのなら他の本を読んだ方がいいと思った。
2021/11/30
templecity
抗生物質で人類の命は随分助けられたが、近年抗生物質の取りすぎで肥満が問題になったりしている。家畜なども抗生物質を摂取させることで太るので大量に使われている。また抗生物質の過摂取で細菌に耐性ができて効かなくなってきている。自然分娩だと出産の際に乳児が口から母体の細菌を引き継いでいたのが帝王切開で引き継げなくなっている。チベットなど高地に住んでいる民族には未だ昔から引き継いでいる体内細菌が見つかることがあるということで研究も進んでいるとか。
2019/01/15
王子
著者の提言する、抗生物質の過剰使用の防止、微生物との〈共生〉は、偶然にも、ついこの前に読んだフロムの『悪について』におけるバイオフィリア的な人間のあり方にもつながるなあと思った。
2018/10/10
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