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「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書 893)

「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書 893)

「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書 893)

作家
鴻上尚史
出版社
岩波書店
発売日
2019-04-20
ISBN
9784005008933
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「「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書 893)」のおすすめレビュー

集団の中で息苦しさを感じるあなたへ! 「空気」を読んでも“従わない”生き方

『「空気」を読んでも従わない(岩波ジュニア新書)』(鴻上尚史/岩波書店)

 日本は同調文化の国である。「KY(空気が読めない)」という言葉が一般化し、その他大勢と違うことを言えば「空気が読めない人」というレッテルを貼られる。だからわたしたちは、自分の意見を押し殺してでも、集団に従ってしまう。かと言って、集団から爪弾きにされるのはイヤだ。

 そんな人に、『「空気」を読んでも従わない(岩波ジュニア新書)』(鴻上尚史/岩波書店)という本をお薦めしたい。

 キーワードは、「世間」と「社会」。「世間」とは、自分と関係のある人たちのこと。「社会」とは、自分とはなんの関係もない人たちのことだ。「日本人は基本的に、世間に生きている」と著者は指摘する。

 とあるブラジル人が著者にこう言ったという。「ベビーカーを抱えた女性が、駅の階段を上がろうとしていたのに、だれも助けなかった。どうして日本人は彼女を助けないのか?」――。どうして助けないのか?

 答えは、その女性は駅にいた人たちにとって「社会」に生きる人だから。日本人は、自分と関係のある「世間」の人たちとは簡単に交流するけ…

2019/6/18

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「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書 893) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

へくとぱすかる

「生き苦しさ」とは絶妙。日本の「世間」「同調圧力」の問題をズバリと言い当てている。いじめの問題が生まれる原因も、書かれた通りだと思う。ネット上のトラブルも、相当な部分「世間」と「社会」の混同から生じるのだろう。理不尽なことがらに「しょうがない」から従ってしまうのではなく、勇気をもって立ち向かっていくべきだろう。「世間」という強敵に立ち向かう方法についても、教えてくれている。大切なのは、ひとりひとりが自覚をもつこと。それがやがては「世間」や「社会」を変えていき、日本の「生き苦しさ」を消せる希望が見えてくる。

2021/01/23

KAZOO

テレビを基本的には見ない私がよく見るものとして鴻上さんが司会をされている「cool Japan」を見ることがあります。ここに出てくる人々は外人がどのように日本を見ているかということで、そこからこのような本が生まれたのではないかと感じました。もうすでに山本七平さんが昔から言われていることではあるのですが日本人の考え方を海外の人々と比較してKYや忖度しすぎているそこの縛りから抜け出しなさいよと言われています。まさにその通りだという感を強くしました。若い時からこのような考えをしてもらいたいですね。

2019/06/09

seacalf

鴻上さんならではの視点「世間」と「社会」の違いの説明はすごくわかりやすい。盲点だったが、今までの自分の行動を振り返ってみてストンストンと腑に落ちる。「世間」から派生した「空気」の説明にも納得。しかし、事ある毎に日本と欧米を比較するのには、いささか閉口。ちょっと反論してみたくもなる。とはいえ、悩める立場の人達を応援しようという趣旨なのだから、言うだけ野暮。ただ本当に悩んでる人達に、この理論武装だけで何とかなるのだろうか。感想を寄せてる人が自分も含めて圧倒的に大人の方が多いのもちょっと引っかかるところ。

2020/07/18

ちゃちゃ

生き苦しさを抱えた若者への生き方指南書。簡潔ながら説得力ある筆致で、日本人の生きづらさは文化なのだと説く。「世間」や「空気」という実体のないモンスターと距離を置き、少しでも楽に生きてゆくための提言。それは相対的で多様な視点や価値観を身につけて「世間」と闘うための方法でもある。苦しむ人に寄り添う鴻上氏の柔らかい言葉が温かい。「イヤ」と言えない自分の弱さを責める子どもたち。わかるなぁと頷きつつ祈る。どうか誰もが「かけがえのない私」として尊重され、「みんな」という同調圧力の呪縛から少しでも解放されますように。

2019/11/19

けんとまん1007

日本独特の世間と世界共通の社会。ここを認識できるだけで、随分違う。自分自身がそうだが、弱い世間も含め、複数の世間を持つことが大事。

2020/03/08

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