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明治の東京計画 (岩波現代文庫 学術 133)

明治の東京計画 (岩波現代文庫 学術 133)

明治の東京計画 (岩波現代文庫 学術 133)

作家
藤森照信
出版社
岩波書店
発売日
2004-11-16
ISBN
9784006001339
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明治の東京計画 (岩波現代文庫 学術 133) / 感想・レビュー

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アナーキー靴下

東京の歴史に興味が出てきたところに、お気に入りの方の面白いとの評を見て、本書を読んでみた。銀座の煉瓦街計画や国際商業都市東京を目指した兜町、そして丸の内の話はかなり面白かった。「江戸の方がよいと思わないこと、未来の目で東京を切り捨てないこと」著者のこの心がけが、まるでその場を見てきたかのような臨場感を生み出しているように思う。渋沢栄一のことを実はあまり知らなかったのだが、書かれている話は相当面白く、こんなのドラマにしたら絶対面白い! ってもうなってるし! 出遅れたけど「青天を衝け」、次回から観ようかな。

2021/07/14

まーくん

建築探偵団・藤森先生の博士論文をベースに82年刊。武士が去り荒廃した江戸の町を、いかに近代国家の首都東京として創りかえるか?多彩な人々の活躍、葛藤、挫折、とても学術書とは思えないほど面白い。明治初頭の銀座煉瓦街建設。東京防火令で蔵造りにより大火の抑え込み、そして市区改正へ。府知事芳川顕正による内務省の交通中心主義に対し審査会で議論百出。渋沢栄一らの商都化案が奮闘。丸の内・大手町が商業地に組み込まれる。一方、外務卿井上馨主導の不平等条約改正に資するための官庁集中計画が力を増し、内務省の市区改正は風前の灯に…

2021/06/24

chanvesa

都市をパリのような卵の殻タイプと、江戸のようなキャベツタイプという対比や、また外務省vs.内務省vs.渋沢、田口卯吉ら新興企業家を筆頭とした都市にもっと近い人々、これらの闘いという観点も興味深い。対外的帝都、内発的帝都、商都。各々における都市計画の思想の差異が権力闘争とも絡んでいく。初期の市区改正計画における強引な区割りが失敗するのは当然だが、その根底のどこかに、生活水準が低い人々を含むという意味での多様性を忌避する権力に、明治近代化の外来的要素と、清潔志向の古来性の、悪い方向での融合が見られた気がする。

2016/01/08

りー

論文として読むには私の知識が足りないので、読み方としては浅いと思いますが、それでもめっちゃ面白い。しょっぱなの「銀座煉瓦街計画」が一番好きです。江戸時代、日本橋に大差をつけられていた銀座。明治5年の大火で更地になったところへ梁山泊に集った井上馨や渋沢栄一らのドリームが炸裂。フーテンの建築家ウォートルスとともに一気に煉瓦街をつくった…のだけど、賃料が高くて店子が集まらない!資金の回収がままならず、当初は、“あーぁやっちまった計画”扱いされていたそうです。帝都東京をつくった数多の夢の欠片が今と繋がっている。

2020/08/03

月世界旅行したい

不可能な理想と現実の間での折衷的なものが出来上がっていくけれど、当時の日本の事情を考えれば、これでも相当うまくいった方だと思う。

2015/07/20

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