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カウンセリングの実際: 〈心理療法〉コレクション (岩波現代文庫 学術 221 〈心理療法〉コレクション 2)

カウンセリングの実際: 〈心理療法〉コレクション (岩波現代文庫 学術 221 〈心理療法〉コレクション 2)

カウンセリングの実際: 〈心理療法〉コレクション (岩波現代文庫 学術 221 〈心理療法〉コレクション 2)

作家
河合隼雄
河合俊雄
出版社
岩波書店
発売日
2009-07-16
ISBN
9784006002213
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カウンセリングの実際: 〈心理療法〉コレクション (岩波現代文庫 学術 221 〈心理療法〉コレクション 2) / 感想・レビュー

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きょちょ

昭和40年代に書かれた本だが、カウンセラーそしてカウンセラーを目指す人にはとても良い本。 人の話を「聴く」ことがなぜ難しいのか良く理解できる。 しかし、カウンセリングは「聴く」ことは大事だがそれだけではない。 従って、型にはまったやり方だけでは通用しない。 仕事をマニュアル的にとらえる人は、カウンセラーになるべきではない。 何故ならクライアントは人間なので、一人ひとり異なるから。 そしてカウンセラーになるには相当の覚悟が必要だ。 河合先生ほどの覚悟を持てる人が一体どれくらい現実にいるだろうか? ★★★★

2020/08/15

zoe

ひと山を超えた、という言い方。転移と限界。治すのか治るのかと、良くも知らない外野からあれこれと言われてしまうこともある難しい世界ということが分かりました。具体例を共有するということが重要である一方で、ケースバイケースでもある。完全を目指すと終われない。

2022/12/10

roughfractus02

安定した著者の語りの外にクライエントとの不安定かつ矛盾に満ち、度重なるジレンマの中で作られた深い経験がある。その一端を読者は言葉を通して触れる。そんな本だ。カウンセリングは著者には人間の二律背反的な生を引き受ける体験である。カウンセラーが治すこととクライエントが治ることの一方に重点を置けば関係は崩れる。診療の制約を破り、単なる親しみに陥る危険に対峙しつつ試行錯誤する過程から見えるのは、治療者グループや家族のメンバーからなる関係の網の目世界へ向けて自己の壁を徐々に低くしていく、両者の無意識の相互努力である。

2022/12/03

らい

なんだろうなこの安心感、安定感、と思って読んでいたら、実際に終盤に著者が基本的な安定感の大切さについて述べていて、あぁこれかぁと妙に腑に落ちた。カウンセリングに携わってる人間じゃないけど、実際の生活の中でも当てはまることが多くて、コミュニケーションの意味を考えさせられた。内容だけじゃなくて、今だから話せること、今は話せないこと、深化していくこともあること、いろんな心の動きと繋がっていて、挨拶や謝罪や感謝の表明ひとつにしても、その仕方や変化には大きな意味があるんだなあ。何かあればこの人に戻ってきたい安定感。

2020/11/03

マル

河合隼雄先生が実際に行ったカウンセリングを例に挙げて、とても丁寧にカウンセリングとはどういうものかを説明してくれております。本書の中でも河合先生が言及されておりますが、カウンセリングというお仕事は本当に難しいものだということが分かりました。しかし、カウンセリングという職業ほど現在の日本社会に必要なものはないのではないかとも思います。カウンセラーは自らの全存在を懸けて患者さんの話に耳を傾ける職業だそうで、その姿勢によって患者さんは悩みを解消していくことができるそうです。ですが、毎回成功するということは(続く

2015/12/10

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