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新版 漱石論集成 (岩波現代文庫)

新版 漱石論集成 (岩波現代文庫)

新版 漱石論集成 (岩波現代文庫)

作家
柄谷行人
出版社
岩波書店
発売日
2017-11-17
ISBN
9784006003708
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新版 漱石論集成 (岩波現代文庫) / 感想・レビュー

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踊る猫

柄谷行人は面白い。いい意味でも悪い意味でも。不器用な中で一生懸命分析している、という凄み(?)があるのだ。カントやフロイトと持ち出すネタはいつも通りで、奇を衒った切り口からではなくオーソドックスな視点から分析を試みる。しかしそれは自分の問題系を疑って自己破壊的に分析するのではなく、逆だ。むしろ分析によって自分に言い聞かせをしているかのような痛さがある。必死さが透けて見える、というかな。斎藤環の卓抜な表現に倣って言えば、漱石を読みたくさせるというより柄谷の他の作品を読みたくさせる、自分探しの分析がここにある

2020/06/26

individual

歴史は勝者の歴史であり、「勝てば官軍、負ければ賊軍」とのことわざもありますが、坂口安吾の言う、「歴史のカラクリ」はこの事を指していると思います。夏目漱石の「こころ」において、先生の「明治の精神に殉死する」とは、明治維新から明治十年前後まで、革命からそれの余波が響いていた時期までの「明治の精神に殉死する」意味らしい。柄谷さんは、西南戦争が維新の精神を継いだ第二の明治維新だったと書いていました。明治二十年前後になると、維新の可能性や希望は無くなり、あるいは潰されたらしい。

2018/04/17

さえきかずひこ

1960年代末から1970年代末に書かれた「漱石試論1」が漱石作品の内在的分析を行っていてその確かさはともかく圧倒的に面白く、読ませる。それは当時の筆者が漱石の小説に心の奥底まで魅了され、溌剌に論じているからだ。「漱石試論3」に収められた「漱石の作品世界」は1997年に刊行された講演録であり、他の論考を読むうえで助けになる。著者は現代では哲学や思想について込み入ったことを論じている思想家と見なされているが、その根本にはカント的な批判(批評)の精神があったことが、巻末の「漱石とカント」(95年)から窺える。

2019/03/17

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