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岡本太郎の見た日本 (岩波現代文庫 学術 425)

岡本太郎の見た日本 (岩波現代文庫 学術 425)

岡本太郎の見た日本 (岩波現代文庫 学術 425)

作家
赤坂憲雄
出版社
岩波書店
発売日
2020-10-16
ISBN
9784006004255
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ジャンル

岡本太郎の見た日本 (岩波現代文庫 学術 425) / 感想・レビュー

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HANA

岡本太郎がパリ大学で受けた民族学に注目し、「まつろわぬ民族学者」としての岡本太郎を捉えた一冊。基本的に論じられているのは東北、沖縄、韓国紀行なのだが、その旅路の中から原日本的なものを見つけようとしていると論じる部分は極めて興味深い。ここで著者が岡本太郎に仮託して論じているいくつもの日本という問題。これ著者が東北学で説いているものと同じで、そう考えるとこれは岡本太郎の評論であると同時に紛れもなく著者の書物でもあるなと。あと紹介されている岡本太郎の本、紀行文としても面白そうなので読んでみたいものである。

2022/12/02

なまこ

5月で1番愉快な体験になった。 岡本太郎のタフな感性を借りながら東北や沖縄を旅行したらさぞかし楽しいだろう。当時、世界的にもトップクラスの教養を持っていた岡本太郎、その知性に裏付けられた感性の「体幹」に舌を巻く。コジェーヴの講義にも出てたんじゃなかったっけ?かつての思想史最前線の臨場感。 赤坂憲雄の、アカデミックで慎重な姿勢を崩さないにもかかわらず抒情に富んだ筆致は、いつものことながら読書体験をドラマティックなものにしてくれる。 電子書籍で買ってしまったが、紙の本が欲しい。

2023/05/11

令和の殉教者

多くの人にとって、岡本太郎の名は太陽の塔の素っ頓狂な顔とともに知られる。Don't think,feel.の芸術家と錯覚してしまうが、そうではない。青年時代を戦間期パリで過ごした太郎は、バタイユと交流しモースに師事するなど、巨大な知の渦中にあった。しかし太郎はその奔流に呑まれることなく、独自の思想を持つに至る。縄文土器の発見や東北・沖縄・韓国のフィールドワークを通して現れるのは、生活、もっと言えば、la vie(生命の意もある)のエネルギーを見抜く眼差しである。芸術を爆発させるのは、そのエネルギーなのだ。

2021/01/02

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