哲おじさんと学くん: 世の中では隠されているいちばん大切なことについて (岩波現代文庫 学術 428)
哲おじさんと学くん: 世の中では隠されているいちばん大切なことについて (岩波現代文庫 学術 428) / 感想・レビュー
き
この本を読んで、哲学に興味を持った。今の時点では理解できない部分が多い本だが、数年後、数十年後にこの本を読む時に、自分自身の感じ方が変わっているか楽しみである。
2021/01/18
テツ
文庫版で発刊されていたので購入。タイトルを一見するとわかりやすい哲学ハウツー本のように感じるけれど、まえがきで永井先生が書かれているように決して簡単な内容ではない。哲おじさんと学くんの対話からはほんの少しでも哲学が心のどこかに引っかかったことのあるぼくたちが、いつか強烈に胸に突き刺さったことのある(そして忘れたふりをしている)命題を揺さぶり起こしてくる。「なぜ」「なぜ」「なぜ」という問いで溢れ返っていた幼い頃の自分より成長した筈の大人の自分だけれど、その「なぜ」は今考えてみてもわからない。
2021/02/02
nob
日経新聞連載時は、ほとんど理解できていなかったが内容はなんとなく気になっていた。言葉にすることが本質的に不可能な疑問。対話形式にしたのは、読者がとっつきやすいように、ではなく、対話でしか表現できないことだから。二人の(おそらくは悟じいさんも含めた三人の)議論は永井先生自身のなかでずっと自問自答されてきたことなのだろう。
2021/10/29
海燕
平易な文章で書かれているが、初心者向けというには高度な内容。最初は面白く読めたが、認識論とか存在論の話が延々と繰り広げられ、途中からはついていけなかった。これを読み、小学生の頃に「なぜ、自分(の魂)は他でもないこの身体に属しているのか」と考えていたことを思い出した。当時はそれが哲学の問いに発展する可能性があるなどと思いもよらず、そもそも哲学が何かもまだ知らなかった。再読する日は来るだろうか。
2021/10/14
えむぴち
良い哲学の本を読んでる時って、深い海や、暗い樹海の中に入っていくような感覚がある。僕も今まで様々なことを考えて来たけど、僕が一人で潜れるような所にはすでにいろんな人の形跡があった。「奥地までたどり着いた!」と思ったら何百年も前に誰かが掘った穴だったり。真っ暗な中、限界まで歩き進め「もうこれ以上は無理だ」と周囲を見渡せば誰かが整備した道だったり。この本のテーマも子供の頃から考えてたことだけど、ここまで深く考えていけるなんて思いもしなかった。何十年も過ごした自分の部屋に地下室を見つけたような不思議な感覚。
2021/04/20
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