宗教と科学の接点 (岩波現代文庫 学術 435)
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宗教と科学の接点 (岩波現代文庫 学術 435) / 感想・レビュー
呼戯人
本棚の端っこの方に埋もれていた本書を見つけて、読み出した。もう約40年前の本であるが、最近岩波現代文庫で復活した。1980年代の頃の時代の息吹に吹かれて、臨死体験とかトランスパーソナル心理学とかが扱われている。ユングの主張する共時性に関しては、私たちも時折体験するが、それが科学で扱う因果律に取って代わるものだとは思えない。ただ心理療法の場面では非常に重要な現象として、非科学的だなどと否定してしまうのは片手落ちになるだろう。魂の問題を扱うときに非常に重要な概念だと思う。
2023/02/09
roughfractus02
『心理療法序説』でも臨床経験は科学の知と宗教の信の間に置かれたが、本書では、知識を蓄積する医学と経験を積む医療の間の複雑な関係を体験する立場から、医学が扱いづらい医療の現場を科学の知の因果性に収まり切れない想像力の働く「たましい」の場と呼び、言語化不能だが全体の調和を感じる力の存在を示唆する。臨床時に見られる「意味ある偶然の一致」というユングの共時性概念を取り上げる著者は、この一致を因果的に見ればオカルト化する点を指摘しつつ、偶然や曖昧さを扱う別の捉え方として配置(コンステレーション)なる考えを提起する。
2022/12/21
Go Extreme
たましいについて:トランスパーソナル学会 人間存在 西洋近代の自我 東洋と西洋 共時性について:易 科学 宗教 ホログラフィック・パラダイム 心身の相関 死について:死の恐怖 死の位置 臨死体験 死後生 意識について:無意識の発見 東洋の知恵 スーフィー的意識の構造 意識のスペクトル 修行の過程 自然について:人と自然 自然とは何か 自然・自我・自己 東西の進化論 自然の死 心理療法について:自己治癒の力 治療者の役割 コンステレーションを読む 意識の次元 宗教と科学の接点 宗教と科学の対話
2021/06/28
とむぐりーん
治療者の態度は、クライアントに対して、出来る限り人為を排して、自然(じねん)の働きに任せる、「たましい」のレベルにおいて、本人のこころの声を聴いて行き、原因と結果にこだわらず、意味のある構図が見えて来るのを待つといった非常に高次元の治療、患者の自己治癒力に委ねるというところに河合隼雄先生の暖かさが垣間見えます。 自然治癒力というものを自分の中に育んで行きたいと 改めて思いました。
2022/11/29
PukaPuka
一神教,多神教文化,宗教性,科学,身体の関わりについて,示唆的な記述が多かった。良い本でした。
2021/10/29
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