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小説太宰治 (岩波現代文庫 文芸 12)

小説太宰治 (岩波現代文庫 文芸 12)

小説太宰治 (岩波現代文庫 文芸 12)

作家
檀一雄
出版社
岩波書店
発売日
2000-02-16
ISBN
9784006020125
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小説太宰治 (岩波現代文庫 文芸 12) / 感想・レビュー

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ケイ

檀一雄が太宰について書いたものはずいぶんと読んだが、これが一番完成している。檀の書くもので1番好きなのは、太宰について書いたもの、次に安吾について書いたもの。檀が生涯かけて愛したのはこの2人で、だからこそ行間から溢れる想いが読む人の気持ちに触れて来るのではないかしら。太宰は あはれな物に心を動かし、それをみる壇は可憐だと思った。太宰とは既に共有できなくなった思い出を、書き残すことは使命だと言いながら、太宰を懐かしむ。「太宰の完遂しなければならない文芸が、太宰の身を喰うたのである」幸せ者だな、檀一雄。

2020/10/24

こうすけ

とても良かった。檀一雄が太宰治と過ごした若き日々を振り返る青春の記録。初対面で、きみは天才です、と断言した檀との悪友的な友情がつづられている。ちらほら、今も語り継がれているエピソードが出てくる。檀一雄も太宰治も読みたくなる。

2022/06/10

佐島楓

太宰の若い頃が、実に活き活きと書かれている。これは、壇氏にしかできない仕事だったろう。小説を読む限りめちゃくちゃな生活を両氏はしていたのだが、そうでもしないと、いや、だからこそ生きているという実感を持ち得なかったのかもしれない。「文学というものは、長い長いマラソン競走だ」でもできれば、その競走から下りないでいてほしかった。

2012/12/13

harass

予想に反してすらすらと読めた。過剰に感傷的でもなく淡々と書かれている。太宰治と大学時代に同人を組んで以来の友人だった著者が彼との思い出を描く。太宰の仕草や口調が生々しい。太宰がどういう本を読んでいたのかを会話や彼の部屋の実態から推察している。作品のヒントや文句に使われただろうと著者が推理する逸話がいくつかあり面白く感じる。太宰と親しくしていた著者からの視点の本で、太宰についての知識があればなお一層楽しめる。解説が沢木耕太郎でこの本の内容と実際の太宰の経歴のズレを指摘してあり読み応えのある文章だ。

2013/09/13

Kiro

登場人物が活き活きとしている小説でした。ノンフィクションに近い小説だからこそリアルさが伝わってくるのかもしれない。人間臭いって良いですよね。僕はお酒が飲めないから太宰治にはなれないし、自殺したいとは思えないけれど、この小説の中にある、人と人との交わりは好きです。

2021/06/27

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