掌の小説 (旺文社文庫)
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掌の小説 (旺文社文庫) / 感想・レビュー
ももたろう
川端康成の作品からは、淀みなくさらさら流れる小川のような印象を受ける。「葬式の名人」「有難う」「夏の靴」なんてまさにそう。でも、そのさらさら流れる小川の源流には、深い悲しみがある。悲しみを直接的には出さない。隠している。だからこそ、表面的ではなく、深いところに響いてくる。そう言うところが日本文学の醍醐味で、素晴らしいと思う。同じ日にドストエフスキーを読んでその違いを痛感。ドストは感情をモロに出す。饒舌な言葉にして出す。だから、思想がはっきり表れ考えさせられるものがある。どちらも大変面白い。
2017/06/10
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