メタボラ
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メタボラ / 感想・レビュー
Yuna Ioki☆
1074-277-21 こんな世界もあるんだなあって感じかな。きちんと働きたくても保証人やらその他もろもろの事情でまともな職につけないのは本人にも責任はあるが別のところにも問題はありそう。そしてそんな人達を搾取する人もいる。世知辛いね〜。。。
2015/07/14
さくゆめ
どんづまりの底辺を足掻く。記憶を取り戻した「僕」の二章に渡る回想は、まさにこれに尽きる。”聞きたくない人は耳を塞いでいてくれ”繰り返しされる忠告もなんのその、時に人は怖いもの嫌なものほど覗き込まずにはいられない、ある種業の深い生き物だ。それでもなお後悔するくらいには凄まじくも壮絶だった。オマケに性的マイノリティ…この作者、容赦無し。ラストは一見救いがあるようで、やはり明るい未来などどこにもない気がしてならない。例えばジェイクは間もなく死に、そうなった時彼に依存しているギンジは…死が救いになるって哀しいね。
2019/09/22
konoha
長かった。OUT以来、すごく久しぶりの桐野さんは、相変わらず上手かったです。記憶を失くした僕をギンジと名付けたのは、沖縄人らしく、呑気で天真爛漫な昭光。2人の青年のハードな人生。桐野さんらしい冷静な筆致で、沖縄の描写はリアリティーがある。ただ、ボリュームがあるので、ギンジの記憶喪失に焦点を当てて、スピード感を持たせるか、コンパクトにすれば、もっと読みやすかったと思う。1週間くらい、ずっと2人といたので、離れるのが、うれしいような、さみしいような。ラストはわかっているけど、2人に幸せになってほしい。
2021/04/12
るい
分厚さに怯んだのも束の間、主人公2人には嫌悪感しかないのに一気読みしてしまった。 暗く淀んだ空気の中で泥濘に少しずつ深みにはまっていくような。放浪と旅の違いはこの世とあの世の決定的な差に似ている。10代の危なっかしい思考は何処へ外れていっても不思議ではなかった自分自身のことを思い出した。 永遠の夜みたいな陰鬱で不快な雰囲気が読み終えた今でも纏わりついているようで。 面白いかと問われれば疑問だけれど、続きが気になる桐野夏生さんはさすがだな、と。
2019/10/26
なっく
600ページ弱というボリュームで読み応えたっぷり。 しかもこれでもかというくらい、暗い内容が続く。 まさにどこを向いても漆黒の闇。 それでもところどころに淡い光が見えただけで、明るく白い世界に見えてしまうところが作者の巧妙なところ。 読後感はさほど悪くない。 通勤途中に細切れに読んでしまったが、本当は雨の日に部屋を閉め切って、King Crimsonでも聴きながら一気に読むのがベスト。 全身に閉塞感を打ち破る「全能力」が湧いてくれば健全な証拠です。
2008/07/12
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- ISBN
- 9784813804383