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役にたたない日々

役にたたない日々

役にたたない日々

作家
佐野洋子
出版社
朝日新聞出版
発売日
2008-05-07
ISBN
9784022504258
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役にたたない日々 / 感想・レビュー

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ミカママ

「人生をめぐる名言がゴロゴロ」の帯に偽りなし。「4、5歳の知能は育ちゆく脳細胞だが、私の脳細胞ははがれ落ちる脳細胞」「いよよ華やぐ命なりけり」うちの母をはじめとして、なぜに世の年配の方々は、世間に腹を立ててるのかがちょっとだけわかってしまう。華やぎはともかく、あたしはここまで怒ってばかりのバアさんにはなりたくないな。佐野さんの最期の本音がたくさん詰まった冊でした。

2017/05/13

おくちゃん🌸柳緑花紅

あと何年もちますか?ホスピスを入れて二年くらいかな。いくらかかりますか死ぬまで。一千万。わかりました。その帰り近所のジャガーの代理店に行ってそこにあったイングリッシュグリーンの車を指差して「それ下さい」このエピソード。そして死ぬとわかるのは、自由の獲得と同じだと思う。と言う強さ。読み始めてはじめの方はクスクス笑った。けれど読み進めていくと老いていくという事が、ヒタヒタと身体に染み渡っていく。今天国で佐野さんはどうしているのかなぁ?ご両親やお兄さんと一緒に死ぬのも悪くないねって笑っているのかなぁ?

2016/06/29

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

「後ろ向きのまま、格好良く走り去った」という解説の酒井順子さんの言葉に強く共感。「あと何年もちますか」「ホスピスを入れて二年位かな」「死ぬまでいくらかかりますか」「一千万」。医師とこんな会話を交わしたその足で、イングリッシュグリーンのジャガーを購入するエピソードが好き。全編ほぼ毒を吐いているのに爽やかな印象が残るのは、自分の格好悪さを正視する潔さとユーモアのスパイス。誰にも等しく訪れる〈老い〉を淡々と受け入れて、前向きに生きるだけが人生じゃないと記す。そう、〈後ろ向き〉な言葉に勇気を貰える事だってある。

2015/07/25

トロピカ

驚いた、というかショックだった。年がら年中、愚痴や文句を言っている生活。女性が「食べる」を「食う」と表現する時点でなんかダメだった。読むと気持ちを優しく穏やかにしてくれる大橋鎮子さんの『すてきなあなたに』とは真逆のようなエッセイ集だった。毒されてしまう気がして途中で読むのを止めた。自分には合わなかった。

2022/03/07

速魚

韓流の話、右翼な従姉妹さんのお話 がんのお話、ボケの話、戦争の話 いちいち残る話が多かった。 「死ぬのがこわくないの?」「嬉しいよ、あんた死んだらもう金いらないんだよ、かせがなくたっていいんだよ 金の心配をしなくていいだけでもラッキーだよ」 医師との診察で「あと何年もちますか」「ホスピスをいれて2年くらいかな」「いくらかかりますか死ぬまで」「一千万」中略 死に際までも凄まじいのに、気負いは感じない。 佐野洋子はもうこの世にいない。 天国で兄弟、お母さんと楽しく暮らしているかもしれない。

2012/09/13

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