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女中譚

女中譚

女中譚

作家
中島京子
出版社
朝日新聞出版
発売日
2009-08-07
ISBN
9784022506276
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女中譚 / 感想・レビュー

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pino

嘗ての女中、スミはアキバのメイドカフェを訪れては語る。男、お嬢様、老作家のこと。昭和初期を生き抜いた女の物語だ。『小さいおうち』に登場する健史がいだいた女中のイメージは寧ろスミに近いのだろう。二・二六事件前後の、スミとタキの状況を読み比べると二人の人生を象徴している様で興味深い。共通点があるとすれば美への憧れ。釦、リボン。スミは命を貪る様に踊る。狂ったネジには巻かれてみるがノイに売られる女なんて真っ平ごめん。擦れっ枯らしの女の意地だ。当時のように狂った空の下、抜け落ちたネジは人知れず生き続けるのだろう。

2015/07/05

新地学@児童書病発動中

現在の秋葉原のメイドと昭和の女中を結びつける着想に脱帽。中島さんはこの時点では直木賞を取っていないが、こんな小説が書けるのなら賞を取るのは時間の問題だったと思う。女性を搾取することと戦争を始めることには共通点があるような気がする。その意味でこの連作は『小さいおうち』のプロローグなのだろう。厳しい時代を生き抜いていく「すみばあさん」には、中島さんの女性たちに対するエールがこめられていると思う。

2014/05/05

takaC

面白い。中島さんは安定感があるので安心して読める。残念なのは、林芙美子、吉屋信子、永井荷風の女中小説を知らずにこの小説を読んだことかな。

2012/01/10

風眠

情報が流れ続ける電光掲示板、途切れることのない雑音、人混みの喧騒。秋葉原にあるメイドカフェの常連「すみばあさん」が語るのは、非合法活動、二・二六事件、ナチスの台頭という昭和初期の頃のこと。女中やカフェーの女給をして暮らす一方で、男の悪事の片棒を担いだり、浅草レビューのダンサーを夢見たり、若さと女をとことん利用して「すみ」は厳しい時代を生き抜いた。誰に聞かせるでもない「すみばあさん」の昔語りは、現代の秋葉原と昭和モダンの頃を自由に行き来する。林芙美子、吉屋信子、永井荷風が描いた女中小説へのトリビュート作品。

2014/01/25

taiko

秋葉原に住むおばあちゃん、スミさんが、昭和初期の女中やカフェーの女給をしていた時代を昔語りするという話。…小さいおうちのタキさんよりは少し年上、かなりハスっぱな女性だった様子のスミさん。3つのお話も色っぽいものばかりですが、面白かったです。こんな話を聞かせてくれるおばあちゃんが近くにいたら楽しそう。最後のシーンは、秋葉原の事件と繋がるようで、驚かされました。オマージュとなる3作品は知りませんが、さらりと楽しく読了しました。

2017/01/20

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