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ひとかどの父へ

ひとかどの父へ

ひとかどの父へ

作家
深沢潮
出版社
朝日新聞出版
発売日
2015-04-07
ISBN
9784022512765
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ひとかどの父へ / 感想・レビュー

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なゆ

子どもの頃にいなくなった父親が日本人じゃなかったなんて。北朝鮮の工作員だった?25歳の朋美は思わぬとこからそのことを知らされる。ついさっきまで「在日韓国人のユリが堂々と活躍してもらっては困るのだ」なんて考えてた朋美にとって、衝撃すぎる事実。そこから母清子とのこれまでのことが語られる。最後の「ミアネ、クレド、サランへ」はちゃんと確信してたはず。あの頃の朝鮮からの人たちは生きたいように生きられなかったし、少なからず巻き込まれた日本人もいたのだ。朋美の娘夢奈の世代には、あっけらかんと気にしなくなってるといいな。

2021/05/28

ゆみねこ

深沢潮さん、初読み。美しいシングルマザーの娘として生まれた朋美は、中学生になる前に自身が私生児として出生した事実を知る。父に似た自分の顔、父はどういう人物だったのか?それを思わぬ形で知らされ衝撃を受ける娘。日韓の複雑な歴史背景と差別、難しい問題を取り扱っていますが、読みやすくまとまっていました。

2015/11/19

そうたそ

★★★★☆ 主人公の朋美は、幼いころに離れ離れになってしまった父を朧気な記憶の中で想いつつ日々を過ごしていた。だがある日その父が在日朝鮮人であることを知ってしまい、愛せない自分と向き合うことになる。在日朝鮮人問題という難しい問題を描きながら、決して重くなりすぎず、かつ押し付けがましい内容になっていない良作。本当、これは難しい問題で全体として簡単にどうこうできるような問題でないとは思うのだが、せめて一人ひとりの意識の中くらいでは良い方向へ向かっていってほしいなあと思う。登場人物みんなに幸せになってほしい。

2015/12/16

pukupuku

読みやすくて,ほぼ一気読み。なので,最後,えっ,これで終わりなの?って何だか物足りなく思ってしまった。韓流ブームに乗っかってたくさんのドラマを観て本を読んで,韓国語も少しだけ勉強し、最も近い国だと感じていたあの頃。社会情勢が変化し,少し距離を感じるようになってしまったけれど,とっても楽しかったなぁ。ミアネ クレド サランヘって,切ない言葉。きっと日本人は,ごめんって言うだけで,その後の言葉は,胸の中に閉まっておく人が多いんだと思う。それは日本人的愛情なんだろうなと,なんとなくそう思った。

2015/08/23

Ikutan

いつしか帰って来なくなった父親。小さな頃のおぼろげな記憶を拠り所にしていた朋美は、野心家の母親が衆議院議員に立候補しようとしたことで、自分の出自を知ってしまう。父親が在日朝鮮人だということを。在日に対する差別という重苦しいテーマだけれども、心情が丁寧に綴られていて読みやすい。清子たちを家族のように受け入れた晴美の家族の温かさやゴーフルの缶のエピソードは、胸が熱くなる。想像以上の衝撃を受けながら、様々な葛藤を乗り越え、母親そして自分に向き合った朋美。前向きに踏み出した彼女の姿はとても清々しい。

2015/05/24

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