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オーバーロードの街

オーバーロードの街

オーバーロードの街

作家
神林長平
出版社
朝日新聞出版
発売日
2017-09-07
ISBN
9784022514882
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オーバーロードの街 / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

パワーアシスト・スーツ、パスカル、ナノマシン、人を覇者ではなく、餌と見なす動物たち、仮想現実によるイタコ効果とサーヴァント化、ガイア理論、文明崩壊、ゾンビとてんこ盛り。しかし、それらの媒体となっているのが母娘喧嘩というのがなんと・・・。まあ、娘を母である自分の代替とすることに対し、「私は私」と言えたので良かったじゃない。個人的に「筋肉的な力が劣っているというだけで、なんども男に悔しい思いをさせられてきた」という一文に物凄く、共感

2018/06/06

はじめさん

近未来・電脳制御の高級住宅地。毒母の支配から逃げ出した少女の端末に現れた、オーバーロードを名乗るAI。場面転換、介護施設で患者を楽々お姫様抱っこ等で使用されるパワードスーツが介護士の意思に反して暴走する事案。馘首された介護士が件の毒母に雇われる。介護士の事件の裏にネット上で「地球の意思」を名乗る者の書き込み。点と点が結びついた時、高級住宅地ではパワードスーツ装着者が一般人虐殺無双。街は閉鎖され、軍部出動一触即発。人類を凌駕したAIが君臨。人類に待つのは統治か淘汰か。敵は械属(かいぞく)(H29/296)

2017/11/12

CCC

どうにも既視感のあるアイディアの寄せ集めな感じがして、新鮮味がなかったのが残念。世界レベルの文明崩壊話なはずだけど、スケール感もあまりないし。まあ親子の話が本筋なのだろうが、それも個人的にはきれいに収めすぎな気がした。面白そうな要素は節々にあったけれど、読み終えてみると手応えがなかったというか、どこかにもう一歩踏み込んだ尖った要素が欲しかった、という感想に。

2018/02/03

本の蟲

そうそう、こういうのでいいんだよ。神林作品に通じる哲学的、形而上学的な思想が裏側に垣間見えるものの、エンタメに振りきった近未来SF。日常に溶け込んだパワーローダーの暴走と無差別殺人。全世界金融データの消失と社会の崩壊。ネットに書き込まれた≪地球の意思≫は何者で目的はなんなのか? 母娘関係と地球規模の災害が同時進行する黙示録的作品。発端の物語としては一応の決着はみたものの、まだまだ謎は残されているし、次作「レームダックの村」をなるべく早く読まねば。

2020/02/09

イツキ

最近の作品と比べると終始アクションが多くスピード感を感じる物語でした。現代からより進んだ格差社会とネット依存、そして増えすぎた人類を減らそうとする地球の意思。テーマが非常に壮大なのにも関わらず最終的な決着に関わる部分は母娘の確執という個人的な問題になってくるという辺りや現実と仮想世界が折り重なっているように思える描写には神林長平らしさを感じさせます。ラストも希望を持てるもの美しいものでした。

2017/09/10

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