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物語のなかとそと 江國香織散文集

物語のなかとそと 江國香織散文集

物語のなかとそと 江國香織散文集

作家
江國香織
出版社
朝日新聞出版
発売日
2018-03-20
ISBN
9784022515438
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物語のなかとそと 江國香織散文集 / 感想・レビュー

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starbro

江國香織は、新作中心に読んでいる作家です。エッセイと掌編小説、書評の散文集、著者の小説以外の作品を読むのは初めてですが、どの作品もしっかり江國香織ワールドでした。オススメは、旅のエッセイ『上海の雨』です。著者が、TVも新聞も週刊誌の情報もなしに、素敵な作品を紡ぎだすのが不思議です。

2018/04/15

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

江國さんの本を読むときの気持ちは、これから始まる季節の気配を感じたときの気持ちに少し似ている。遠いところに思いを馳せているような、穏やかな庭の陽だまりを感じて微睡んでページをめくっているような。どこかに連れていってくれると同時にここにいる自分を意識するってこういうこと? お風呂に2時間入るとかくだものが好きだとか、共通点を見つけて嬉しくなったり。世のなかの、善いもの、美しいものがすべて書きつけられているということばを盲目的に信じて「プラテーロとわたし」を読んでみたくなったり。この思いはもう、恋に似ている。

2019/08/26

ケンイチミズバ

骨格も肌の匂いも声の温度も、一人一人ちがうからこそ恋愛が可能なのに。世界中の些末なものをどういうわけか全身で拾い集めてしまう、それが作家。納得した。とてもとても納得した。すぐれた作品はひとつの王国で、読書することは、王国に行ってその世界を堪能して帰ってくること。素敵すぎる。神様のボートのラスト、えっ?ページがない、ここで終わり?と思った。読者を突き放す、江國さんの王国から突然現実に戻される、門前払いをくらったみたいなおもしろさもばかばかしい恋愛劇も好き。ボロボロになるまで繰り返し読んだ本はありませんが。

2018/04/06

ちゃちゃ

この20年ほどのエッセイと掌編小説を収録した散文集。どの切り口からも江國さんの香気が匂い立つ。きっと文学的に早熟な子どもだったのだろう。現実世界にうまくなじめず、繊細で自意識が強くて、物語の世界に没入し孤独に過ごす少女の姿が浮かび上がってくる。彼女はそのまま大人になってしまった人…という印象を受ける。今もなお、本を読んでいる間は魂の半分がその世界に置き去りにされ、読むことと書くことで人生の大半を物語世界に生きているという。江國さんのエッセイ集を読むのは初めてだが、その筆さばきの巧みさに改めて魅了された。

2018/07/15

優希

エッセイとも掌編小説とも一味違う、まさに散文集ですね。日常と非日常の間にいるような不思議な世界観に遊ぶ感覚が心地良かったです。現実にいたり、創作にいたりする江國さんならではの物語が紡がれているような気がしました。

2018/05/20

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