KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

カザアナ

カザアナ

カザアナ

作家
森絵都
出版社
朝日新聞出版
発売日
2019-07-05
ISBN
9784022516145
amazonで購入する

カザアナ / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

これまでに私が思っていた森絵都とは随分違う。まず、文体がライトノベル風、もしくは同人誌風である。国力が疲弊し、観光立国として生き延びようとする日本。そこは中国以上の超監視社会といった近未来SFなのだが、その設定自体は今日的であるものの、物語の構想も人物像の設定もいたって軽い。ここまで来たら、もう自分の好きなように書くという作家の意志が先行するかのようだ。書いている作家は楽しいだろう。また、これを大いに歓迎する読者もいるだろう。ただ、私がひたすらに惜しむのは、抒情を失ったことである。

2023/01/31

starbro

森 絵都は、新作中心に読んでいる作家です。著者の新境地でしょうか?本書は、近未来風穴幻想譚の連作短編集でした。 但し、残念ながら、著者のライブラリーに風穴を開けるよう快作ではないような気がします。

2019/07/29

ウッディ

いにしえの日本に自然と心を通わせ、不思議な力を持ったカザアナと呼ばれる人々がいた。AIによる監視が進み、不自然なまでに日本らしさを強制された近未来の日本で、カザアナの末裔たちが活躍する。引きこもり問題、外国人労働者の待遇、環境破壊等々、現在の日本にも通じる社会問題と管理社会の怖さをコミカルなタッチで描いていましたが、全てが上手く行きすぎで、リアリティが感じられなかった。AIで暮らしは便利になるのだろうけど、プライバシーや自由を犠牲にするより、不便であっても豊かだった昔の暮らしに回帰する日が来るのかも・・。

2019/11/22

こーた

もはや虚構としかおもえない政治や社会に風穴を開けるのは、ひょっとするとこんな小説なのかもしれない。過去の人物が近未来で織りなすのは現在の物語だ。日本スゴイの成れの果てに広がる悍ましいディストピア。だがそこに生きる子どもたちは、いつの時代もそうだが、朗らかで力強い。痛烈な社会諷刺と政治批判をまじえつつ、決して深刻にならず、また笑いを忘れない。平安末期と五輪後が交錯する物語が描くのは、徹底して子どもたちの問題だ。こんなにも彼ら彼女らの目線に立てるのかと驚く。あるいはこれは現実に敗北しつつある大人の著者が、⇒

2020/05/06

ゆのん

【NetGalley】2019年、1冊目に読んだのが『みかづき』。それ以来の森絵都作品。近未来の日本と後白河帝の時代のオーバーラップが面白い。SFのような感じもするがSFを苦手とする私でも何の抵抗感も無く楽しく読めた。登場人物たちの突飛な言動は笑いを誘う。197

2019/06/17

感想・レビューをもっと見る