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生かさず、殺さず

生かさず、殺さず

生かさず、殺さず

作家
久坂部羊
出版社
朝日新聞出版
発売日
2020-06-05
ISBN
9784022516886
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生かさず、殺さず / 感想・レビュー

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starbro

久坂部 羊は、新作中心に読んでいる作家です。本書は認知症社会派ミステリの秀作でした。久坂部 羊のMyBestかも知れません。三杉医師には診て欲しいですが、にんにん病棟には絶対入院したくありません。20年以内に尊厳死(安楽死)法制が成立することを切に願っています。 https://kusakabe-yo.com/

2020/06/30

いつでも母さん

なんともなタイトルの今作は、色んな病気を抱えた認知症専門『にんにん病棟』のあれこれ。医長・三杉や看護師、患者とその家族に、小説家を名乗る胡散臭い三杉の元同僚が絡む。そうだよね、年を重ねると持病の一つや二つはあるよね。そこに認知症だもの、これはもう自分の先々を考えてしまう。危ない患者・危ない家族にはなるまいぞ!と今なら言えるが・・(汗)【ほどよい医療】これは永遠のテーマなのだろうなぁ。そして三杉の過去を探り脅した坂崎は何処へ?

2020/06/25

ウッディ

病気の治療が必要な認知症患者が入院する「にんにん病棟」で医長を務める三杉。自分の状況が理解できず、意思表示できない患者やわがままな家族の対応に苦慮しながら、ベストの治療を目指す医師と看護師の奮闘記と三杉を主人公にした医療小説で再起を図ろうとする元医師である作家の取材が平行して進む。認知症患者の介護と延命処置など高齢化日本の医療の在り方を考えさせながら、過去のミスを悔やみ、より良い治療に悩む三杉の姿が、医師も一人の人間であることを思い知らされた。だからこそ、三杉の手術で亡くなった遺族の言葉が清々しかった。

2020/10/10

utinopoti27

主人公の三杉は、認知症患者専門病棟の医長だ。癌や糖尿病を抱えた彼らの扱いを巡る医療関係者の苦悩は実に深い。検査や治療を単なるイジメとしか認識しない患者や、家族の身勝手な思惑に振り回されつつ、時に難しい決断を迫られる。『生かさず殺さず』は、そんな医師たちにとっての、まさに金言なのだ。本作では、認知症と向き合う医療現場の実態を背景に、主人公が抱えるある秘密にまつわるミステリが展開する。これはガチで怖い。現役医師の著者が綴るリアルなエピソードの数々は、そう遠くない将来、自分が直面する悲劇かもしれないのだから。

2020/12/17

モルク

認知症があり更に他の病に罹患した患者の入院する認知症専門病棟の医師三杉が主人公。認知症患者は治療の理解できなかったり、一時は納得しても忘れたり、じっとしていられないなど普通の患者以上の労力と注意そして忍耐力が必要だ。さらに高齢者の治療の是か非の問題もある。そこに「にんにん病棟」での患者虐待疑惑、更に三杉の過去の過失を暴こうとする同期の元医者で今は作家の男などが絡む。高齢者への医療とその家族のあり方など様々な問題が累積する。看護師の言葉に本音が見える。入院中認知症の人と同室は本当にキツかったのを思い出した。

2020/09/30

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