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fishy

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作家
金原ひとみ
出版社
朝日新聞出版
発売日
2020-09-07
ISBN
9784022517135
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fishy / 感想・レビュー

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starbro

金原 ひとみは、新作中心に読んでいる作家です。fishyなので「水魚の交わり」かと思いきや、女性ならではのドロドロとした如何わしい関係でした。純粋な草食男子は、女性嫌悪に陥るかもしれません(笑)少し桐野夏生っぽい雰囲気もありました。【読メエロ部】

2020/09/17

ウッディ

臆病な美玖、堅実な弓子、自由なユリの3人は、年齢や職場、性格も違うのに集まってしまう飲み仲間。結婚したばかりの男と不倫をして、妻から慰謝料を請求された美玖、夫が不倫をして離婚を切り出された弓子、そして理想的な結婚生活に映るが、奔放に恋を重ねるユリ、批判の矛先が自分になった時、反発しあうが・・。女子会の光と闇を盗み見するような面白さがあった。容赦なく吐き捨てる鋭い言葉を無神経と思うか、潔いと思うか、心の傷に直接触れない態度を優しさととらえるか、不気味ととらえるか、女の友情の奥深さを垣間見たような気がします。

2021/04/24

モルク

年齢も職業も、境遇も異なる3人。集まって、飲んでしゃべって、くだをまいて…でも友人と言える関係ではない。新婚の男と不倫をしたあげく妻から慰謝料請求をされる美玖、夫が会社の若い女と浮気そして離婚を突きつけられる弓子、ナンパされた男に写真を撮られTwitterにあげられたり、全く価値観の違う若い男壮太にイラつきながらも許してしまうユリ。そしてこのユリのことは最後まで掴めないままちょっとモヤモヤ。でも、これだけ言いたいことを言える間柄ってなんかいいかも。

2021/08/23

パトラッシュ

久しぶりに読んでいて不快になる小説に出合った。登場人物すべてが人間関係で風俗勤めや離婚調停に陥るなど痛い目に遭いながら、それでも他人との結びつきを求めてやまない学習能力ゼロぶりにあきれた。しかもユリが爆発して暴力を振るったように主役の女たちが壊れていく結末かと思いきや、最後はまた男とくっついてめでたしめでたしとは。「地獄とは他人」(サルトル)なのだから、その地獄を徹底的にさまよう物語で一貫すれば面白くなったものを。女流作家は不幸な女を書きたくなかったのか、金原さんも『蛇にピアス』に比べれば甘くなったのか。

2021/01/27

よつば🍀

タイトルの『fishy』は「怪しい・いかがわしい」を意味する。気が置けない友人同士であっても自分の100%を曝け出す人はいない。作中に登場する三人の女性達も明け透けに語っているようで心の奥底にひた隠しにしているものがある。「人が三人集まると邪悪な社会が出来る、友達だと思った事はない」と言い切るユリから発せられる言葉の数々は二人を目の前にしても辛辣で残酷で非情だ。登場人物の言葉を通し作者の生への執着が過酷さと混然一体となり伝わって来てこの世の諸行無常を痛感する。軽い気持ちで手に取ると、その破壊力に遣られる。

2020/09/24

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